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矢印税理士試験:相続税法の難易度と攻略ポイント【理論問題】

矢印税理士試験:相続税法の難易度と攻略ポイント【計算問題】
税理士試験は選択科目を含めると全11科目になりますが、試験科目によって学習すべきボリュームや勉強時間が大きく異なってきます。

ちなみに、某大手受験指導校が無料配布している案内資料によると、各科目ごとの学習時間の目安は、概ね次のようになっていました。

※余談:数年前の案内資料と比較してみたところ、試験科目によっては学習時間の目安が増しているものもあります。
受験指導校が示す学習時間の目安[単位:時間]
必須科目 選択必須科目 選択科目
簿記論 財務諸表論 所得税法 法人税法 相続税法 消費税法 酒税法 国税徴収法 住民税 事業税 固定資産税
T校 450 450 600 600 450 300 150 150 200 200 250
O校 460 460 600 600 460 300 150 150 250 250 250
L校 450 450 600 600 450 300 200 110 200 200 200
※ 2013年度版の資料を参考。また、学習時間には講義時間を含みますが、理論の暗記時間は含まれていません。
学習時間の目安の比較
基本的に税理士試験の試験科目は、実務上の頻度が高ければ高いほど、それに比例して学習ボリュームが増す傾向にありますが、この資料によると、相続税法は選択科目の中で最も学習時間を要する試験科目として位置付けられているようです。

したがって、できるだけ勉強時間を押えながら短期合格を目指すならば、相続税法は避けるという戦略も立てられますが、実際は苦労してでも相続税法を選択される受験生が大勢います。

これは、実務での活用頻度が高い試験科目であるということが主な理由と考えられますが、他にも相続関連の業務は報酬が高い!といったことも少なからず影響していると思われます。

税理士の資格は独立してこそ活きてくる資格であり、合格者の大半は将来的に独立開業するため、試験勉強の大変さと独立後の大変さを天秤にかけると、結果的に後者の実務を重視した選択科目を選ばれる受験生が多いようです。
開業税理士 81.8%
開業税理士で他の税理士と雇用関係にある者 8.8%
補助税理士 5.5%
一般企業内(社員)税理士 3.9%
参考:日本税理士会連合会調べ(平成16年4月)


そこで、相続税法を選択した場合、どのような方法で学習を進めていったらよいのか、試験の特徴や出題傾向を踏まえながら、日々の勉強方法の参考になりそうな情報をまとめておきます。



税理士試験における相続税法の特徴

相続税法は「理論問題」と「計算問題」の2部構成ですが、その内訳は概ね次のとおりです。
理論 第一問
(50点)
小問2題 ・制度の細かい内容や概要について説明させる問題
・具体例を挙げ、規定の理解力や応用力を問う総合的な問題 …等
計算 第二問
(50点)
大問1題 ・複数の資料を基に具体例を挙げ、相続税額等を計算させる総合問題
相続税法は計算問題が出題されるため、簿記の知識が必要不可欠のようにも思えますが、相続税額の計算は複雑ではあるものの、独特の方法で算出することから、簿記の知識は特に必要ない科目として位置づけられています。

ちなみに、税理士試験における相続税法との関連性のある試験科目は「所得税法」と「国税徴収法」です。

また、相続税法は相続税についてのみ規定した法律ではなく、贈与税についても規定しています。

相続税と贈与税とでは、課税理論や課税方法が異なってくるため、相続税法を選択した方は、試験科目自体は1つでも2税目学ばなければならないということをまずは押えておきましょう。

選択科目に関しては、独学向けの分かりやすい市販教材が少ないといった悩みどころがありますが、『税理士試験 相続税法の要点整理』などは相続税法の基本知識や全体像を学ぶ上で、そこそこ役立つテキストなので、教材選びで悩んでいるようなビギナー受験者は、一度、中身をチェックしてみることをお勧めします。

税理士試験:相続税法の難易度と攻略ポイント【理論問題】

近年の相続税法は小問が2題出題されますが、まず1問目が特定の規定そのものについて説明を求める個別理論問題、そして2問目が具体的な事例を上げた上で、複数の個別論点をからめて応用力・理解力を問う総合的な問題として出題される傾向が強いようです。

国税三法(所得税法・法人税法・相続税法)の中では条文数が少なく、押えるべき論点も比較的少ないので、いくらか対策の立てやすい試験科目と言えるかもしれませんが、ボリュームが少ない分、本試験では、かなり細かい知識を求めてくるケースも見られるため、各論点の深い知識、理解力が問われるのが特徴です。

また、問題によっては設問自体が抽象的なこともあり、解答用紙に何を書いたらよいのか分からないと戸惑う人もいるようですが、理論対策は、やはりなんといっても暗記中心の学習が欠かせません。

そこで、理論問題対策上、まずしなければならないことは個別理論の暗記です。

年度によっては、個別理論さえしっかりとマスターしておけば、解答しやすい問題が出題されることもあるので、このような問題は確実に得点に結び付けなければなりません。

個別理論の暗記を行う上で役立つ教材はいくつかありますが、やはりTAC出版から発売されている税理士受験シリーズの『理論マスター』は質・量ともに評価できるテキストのように思われます。






他スクールの教材に比べると、カバーする範囲が広く覚えるのが大変といった声もありますが、近年の本試験問題の難易度を踏まえると、できれば本書をマスターしたいところです。

基本理論は、大半の受験者が書ける問題なので、本番でこの手の問題でミスることは許されません。

しかし、本試験は時間との戦いでもあるので、何を要求されているのか、無駄を省きつつもポイントを押えて柱上げをきちっとし、出来るだけ早く書き上げることも意識した訓練に徹してください。

一方、丸暗記では対処できない問題が応用理論です。

応用理論が出題された場合、理論の丸暗記では合格するだけの得点はまず稼げないので、各論点ごとの深い理解が求められます。

相続税法は、国税三法の中ではボリュームが少ない分、試験範囲の学習はほぼ完璧に仕上げた上で本試験に臨む受験生と競い合って合格を勝ち取らなければならないため、ある意味、応用理論が出された場合は勝負どころです。

したがって、ただ闇雲に暗記するのではなく、関連項目を同時にチェックしながら、内容を理解した上で知識を深めていく作業が必要になります。

ただし、応用理論を解くには個別理論が理解できていることが前提にあるので、最初のうちは個別理論を中心に徹底的に暗記し、理解する学習に努めた方がよいでしょう。



税理士試験:相続税法の難易度と攻略ポイント【計算問題】

税理士試験における相続税法の計算問題は〝財産評価〟に関する問題が頻出しています。

近年の本試験問題も、財産評価を中心とした総合問題として出題される傾向が強く、問題の大半を占めるため、相続税法は財産評価の出来不出来が合否を大きく左右する試験と言ってもよいでしょう。

したがって、計算問題対策は、この財産評価に関する論点を重点的に学び、しっかりと理解する作業が中心になってくるという点をまずは押えておいてください。

さて、具体的な勉強法ですが、先にも説明したように、計算問題はほぼ総合問題として出題されているようです。

しかし、総合問題は個別問題の寄せ集めなので、まずは個別問題を解く力をしっかりと身に付いていなければ解ける問題も解けません。

相続税法の計算問題は大抵ボリュームが多く、とても1時間程度で全解答できるような問題ではありません。

また、近年は実務的な内容を多分に含んだ解答までに時間のかかる難問が目立つこと、序盤に難解な財産評価に関する問題をもってくるケースも見られることなどから、解答用紙を上から順番に埋めていく行為は危険であり、できるところから解答欄を埋めていき、後は部分点で少しでも得点を稼ぐというテクニックを行使しなければ、まず合格を手にすることはできません。

したがって、基本項目のミスは致命的なので、個別問題はしっかりと理解し、スピーディーに解答できる計算力をまず磨く必要があります(相続税法の計算問題は、繰り返し出題される論点も多いため、過去問や演習問題を反復練習し慣れることが肝心!)。

しかし、総合問題は個別問題の寄せ集めとはいえ、個別問題ばかり解いていては、総合問題を解く力(制限時間を考慮した、時間のかかりそうな問題、得点できなくてもよい問題を見抜く力なども含む)は身に付きません。

なぜなら、総合問題は数多くの資料を基に計算処理をしていくことになりますが、問題を解くための鍵が必ずしも一箇所にかたまっているわけではないため、資料を正確に読み取る力が必要になってくるからです。

そのため、総合問題の処理スピードを挙げるには、個別問題と同様に総合問題を反復練習し慣れることが不可欠です。

したがって、個別問題をある程度抑えたら、できるだけ早い段階で、総合問題に着手するようにしましょう。
税理士講座の特徴
資格の大原 税理士講座
資格の大原と同じく、簿記・会計系資格には実績のある大手予備校。

税理士試験関連のTAC教材は評価も高く、他スクールの受験生が利用することも珍しくはない。

また、講座で使用する教材は講師陣が制作するため、受講生の視点に立った分かりやすさを重視した内容に仕上がっている点がTACの強みの一つであろう。

ただし、TACや大原のような実績あるスクールであれば、教材やカリキュラム等に違いはあれ、優劣はつけがたいので、後は自分の好みの問題となってくる。
税理士や公認会計士などの簿記・会計系資格に強いことで知られる受験指導校のひとつ。

専任講師体制をモットーとしているため、受講生に対するサポート体制は徹底している。

また、受験生が特に苦手とする理論分野に関しては、合格に必要な論点がマスターできるよう複数の教材を併用しながら習得を図っている点も評価したい。

特に短期合格を狙う受験者は大原を選択する受講生も多いようなので、短期合格を目指しているような方は検討してみてほしい。