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矢印年度別:宅建士(旧 宅建)試験の過去問題

宅建士試験の特徴と対策

宅建士試験の問題は、すべて四肢択一のマークシート方式で行われますが、毎年、必ずと言っていいほど出題者側の意地(簡単には点を取らせない)ともとれるような難易度の高い問題がいくつか出題されます。

しかし、過去の試験データを分析するかぎり、合格ラインが〝36点〟を超えたことはありません。
宅建:合格ラインの推移グラフ
つまり、本試験で高得点を目指す必要はないため、7割以上の得点を取ればよいわけです。

したがって、絶対に取りこぼしてはならない問題と捨て問題を見抜き、効率よく解答欄を塗りつぶしていくことが合否を左右する重要なポイントになってきます。

本試験で出題される問題数と試験時間を踏まえると、1問当たりの持ち時間は概ね〝2分(もちろん、問題の内容によって解答時間は若干変動しますが…)〟が理想的なので、本試験ではペース配分を意識しながら解ける問題から手を付け、時間が掛かりそうな問題、あるいは難しそうだなと感じた問題は後回しにすることが大切です。

また、実際に宅建士の過去問題を解いてみれば気付くことですが、本試験で出題される問題の9割以上が正誤問題で構成されているので、最後まで設問をしっかりと読み、つまらないミスをしないよう十分気を付けて下さい。
出題パターンと問題数
出題パターン 平成27年度 平成28年度
正誤問題 24問 48% 27問 54%
× 16問 32% 15問 30%
個数問題 9問 18% 6問 12%
組合せ問題 1問 2% 2問 4%
正誤問題対策テクニック※ 正しいもの、誤っているものを選ばせる問題がランダムで出題されるので、問題番号の余白に正しいものを選び出す場合は「〇」誤っているものを選び出す場合は「×」印を付けておくのも良い。

特に時間配分を間違えると焦りが出てミスを招きかねないので、そういう意味でも難問は後回しにして解ける問題から解いていくテクニックは非常に有効です。
攻略ポイント:権利関係分野
宅建士試験は大きく分けると4分野(①権利関係 ② 宅建業法 ③ 法令上の制限 ④ その他の関連知識)で構成されていますが、本試験での得点配分は各分野によって大きく異なってきます。

近年は宅建業法がより重視される試験へと変わりつつあるようですが、権利関係は宅建業法に次ぐ得点配分の高い分野であるという位置づけは今後も変わらないでしょう。
宅建士:分野別出題配分グラフ
したがって、合格を確実なものにするなら、出来るだけ得意分野にしたいところですが、実際はそう思い通りにはいかないようで、法律初学者が本試験で高得点を狙うというのは難しいようです。

これは、過去問題を解いていただければわかることですが、権利関係が他の分野に比べて理解力が重視される内容だからです。

そのため、民法色の強い権利関係分野に対し、苦手意識をもっている宅建士受験者は多く、必ずしも学習時間に比例して得点が伸びるとは限りません。

本試験で出題される問題は「売買契約」をはじめ、「制限行為能力者」「代理」「意思表示」「時効」「無効・取り消し」「物権変動」「損害賠償」「抵当権」「債務不履行」「借地借家法」…とテーマも多岐にわたります。

権利関係問題の出題パターンは、ほぼ正誤問題として出題されますが、正確な知識と理解力がないと解答に辿り着かない(消去法である程度絞れても、自信をもって解答できないことが多い)問題も少なくないため、時間に余裕がある方は、腰を据えてひとつひとつ理解に努めてもらいたいところですが、学習時間に限りがあったり、短期合格を目指しているような方は、権利関係にはあまり深入りせず、高得点を狙いやすい宅建業法でカバーするなど、他分野を重点的に勉強し合格を狙った方が効率的かもしれません。

したがって、法律の勉強を初めてするようなビギナー受験者にとっては最も手こずる分野と言えるので、初学者の方は、まずは8~10点を目標に対策を練るというのも一つの方法です。
攻略ポイント:宅建業法分野
宅建業法は権利関係と同じく得点配分の高い分野ですが、最近の傾向としては問題数の増加が見られ、特に重視される分野になってきています。

宅建業法は一般消費者に不利益を与えないよう、宅地建物の取引を行う上でのルールを定めた法律なので、不動産関係の仕事に従事している方にとっては非常に理解しやすい反面、学生や主婦にはとっつきにくい面がありますが、どちらかというと理解力よりも暗記力がものをいう分野であること、また、例年、同じような論点に関する問題が繰り返し出題される傾向が強いことから、過去問題を徹底的に解き、知識(特に数字に関するルール)を整理しながら頭に叩き込んでいけば高得点を狙いやすい分野といえるでしょう。

そのため、法律の学習経験がない初学者でも、勉強しているうちに得意科目としてしまっている受験者は多いようです。

しかし、近年は個数問題(例:正しいものはいくつあるか?)として出題されるケースも多く、より正確な知識が要求される問題も増え始めているので、間違えやすいルールなどはノートに書き出し、通勤・通学時間や入浴タイムなどのちょっとしたすき間時間を活用しながら正確な知識の定着化を図るようにしましょう。


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宅建士:過去問題 例
問1:制限行為能力者に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。


1.古着の仕入販売に関する営業を許された未成年者は、成年者と同一の行為能力を有するので、法定代理人の同意を得ないで、自己が居住するために建物を第三者から購入したとしても、その法定代理人は当該売買契約を取り消すことができない。

2.被保佐人が、不動産を売却する場合には、保佐人の同意が必要であるが、贈与の申し出を拒絶する場合には、保佐人の同意は不要である。

3.成年後見人が、成年被後見人に代わって、成年被後見人が居住している建物を売却する際、後見監督人がいる場合には、後見監督人の許可があれば足り、家庭裁判所の許可は不要である。

4.被補助人が、補助人の同意を得なければならない行為について、同意を得ていないにもかかわらず、詐術を用いて相手方に補助人の同意を得たと信じさせていたときは、被補助人は当該行為を取り消すことができない。


【平成28年度 宅建士試験より】

問2:土地の転貸借に関する次の1から4までの記述のうち、民法の規定、判例及び下記判決文によれば、誤っているものはどれか。
(判決文)

土地の賃借人が賃貸人の承諾を得ることなく右土地を他に転貸しても、転貸について賃貸人に対する背信行為と認めるに足りない特段の事情があるため賃貸人が民法第612条第2項により賃貸借を解除することができない場合において、賃貸人が賃借人(転貸人)と賃貸借を合意解除しても、これが賃借人の賃料不払等の債務不履行があるため賃貸人において法定解除権の行使ができるときにされたものである等の事情のない限り、賃貸人は、転借人に対して右合意解除の効果を対抗することができず、したがって、転借人に対して賃貸上地の明渡を請求することはできないものと解するのが相当である。
1.土地の賃借人が無断転貸した場合において賃貸人に対する背信行為と認めるに足りない特段の事情があるため賃貸人が無断転貸を理由に賃貸借契約を解除できないときであっても、賃貸借契約を合意解除したときは、賃貸人は転借人に対して賃貸土地の明渡しを請求することができる。

2.土地の賃貸人が転貸借について承諾を与えた場合には、賃貸人は、無断転貸を理由としては賃貸借契約を解除することはできないが、賃借人と賃貸借契約を合意解除することは可能である。

3.土地の賃借人が無断転貸した場合、賃貸人は、賃貸借契約を民法第612条第2項により解除できる場合とできない場合があり、土地の賃借人が賃料を支払わない場合にも、賃貸人において法定解除権を行使できる場合とできない場合がある。

4.土地の賃借人が無断転貸した場合、転借人は、賃貸人と賃借人との間で賃貸借契約が合意解除されたとしても、賃貸人からの賃貸土地の明渡し請求を拒絶することができる場合がある。


【平成27年度 宅建士試験より】

問3:建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。


1.管理者は、集会において、毎年2回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならない。

2.管理者は、規約に特別の定めがあるときは、共用部分を所有することができる。

3.管理者は、自然人であるか法人であるかを問わないが、区分所有者でなければならない。

4.各共有者の共用部分の持分は、規約で別段の定めをしない限り、共有者数で等分することとされている。


【平成28年度 宅建士試験より】

問4:次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはいくつあるか。


(ア)都市計画法に規定する工業専用地域内の土地で、建築資材置き場の用に供されているものは、法第2条第1号に規定する宅地に該当する。

(イ)社会福祉法人が、高齢者の居住の安定確保に関する法律に規定するサービス付き高齢者向け住宅の貸借の媒介を反復継続して営む場合は、宅地建物取引業の免許を必要としない。

(ウ)都市計画法に規定する用途地域外の土地で、倉庫の用に供されているものは、法第2条第1号に規定する宅地に該当しない。

(エ)賃貸住宅の管理業者が、貸主から管理業務とあわせて入居者募集の依頼を受けて、貸借の媒介を反復継続して営む場合は、宅地建物取引業の免許を必要としない。


1.一つ
2.二つ
3.三つ
4.四つ

【平成27年度 宅建士試験より】

問5:宅地建物取引業者が売買等の媒介に関して受けることができる報酬についての次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。


(ア)宅地建物取引業者が媒介する物件の売買について、売主があらかじめ受取額を定め、実際の売却額との差額を当該宅地建物取引業者が受け取る場合は、媒介に係る報酬の限度額の適用を受けない。

(イ)宅地建物取引業者は、媒介に係る報酬の限度額の他に、依頼者の依頼によらない通常の広告の料金に相当する額を報酬に合算して、依頼者から受け取ることができる。

(ウ)居住用の建物の貸借の媒介に係る報酬の額は、借賃の1月分の1.08倍に相当する額以内であるが、権利金の授受がある場合は、当該権利金の額を売買に係る代金の額とみなして算定することができる。


1.一つ
2.二つ
3.三つ
4.なし

【平成28年度 宅建士試験より】

問6:宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者でない買主Bとの間で締結した売買契約に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。


(ア)Aは、Bとの間で建築工事完了後の建物に係る売買契約(代金3,000万円)において、「Aが契約の履行に着手するまでは、Bは、売買代金の1割を支払うことで契約の解除ができる」とする特約を定め、Bから手付金10万円を受領した。この場合、この特約は有効である。

(イ)Aは、Bとの間で建築工事完了前の建物に係る売買契約(代金3,000万円)を締結するに当たり、保険事業者との間において、手付金等について保証保険契約を締結して、手付金300万円を受領し、後日保険証券をBに交付した。

(ウ)Aは、Bとの間で建築工事完了前のマンションに係る売買契約(代金3,000万円)を締結し、その際に手付金150万円を、建築工事完了後、引渡し及び所有権の登記までの間に、中間金150万円を受領したが、合計額が代金の10分の1以下であるので保全措置を講じなかった。

1.一つ
2.二つ
3.三つ
4.なし

【平成27年度 宅建士試験より】

問7:都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。


1.市街地開発事業等予定区域に係る市街地開発事業又は都市施設に関する都市計画には、施行予定者をも定めなければならない。

2.準都市計画区域については、都市計画に準防火地域を定めることができる。

3.高度利用地区は、用途地域内において市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度又は最低限度を定める地区である。

4.地区計画については、都市計画に、地区計画の種類、名称、位置、区域及び面積並びに建築物の建ぺい率及び容積率の最高限度を定めなければならない。


【平成28年度 宅建士試験より】

問8:土地区画整理法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。


1.仮換地の指定は、その仮換地となるべき土地の所有者及び従前の宅地の所有者に対し、仮換地の位置及び地積並びに仮換地の指定の効力発生の日を通知してする。

2.施行地区内の宅地について存する地役権は、土地区画整理事業の施行により行使する利益がなくなった場合を除き、換地処分があった旨の公告があった日の翌日以後においても、なお従前の宅地の上に存する。

3.換地計画において定められた保留地は、換地処分があった旨の公告があった日の翌日において、施行者が取得する。

4.土地区画整理事業の施行により生じた公共施設の用に供する土地は、換地処分があった旨の公告があった日の翌日において、すべて市町村に帰属する。


【平成27年度 宅建士試験より】

問9:印紙税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。


1.印紙税の課税文書である不動産譲渡契約書を作成したが、印紙税を納付せず、その事実が税務調査により判明した場合は、納付しなかった印紙税額と納付しなかった印紙税額の10%に相当する金額の合計額が過怠税として徴収される。

2.「Aの所有する甲土地(価額3,000万円)とBの所有する乙土地(価額3,500万円)を交換する」旨の土地交換契約書を作成した場合、印紙税の課税標準となる当該契約書の記載金額は3,500万円である。

3.「Aの所有する甲土地(価額3,000万円)をBに贈与する」旨の贈与契約書を作成した場合、印紙税の課税標準となる当該契約書の記載金額は、3,000万円である。

4.売上代金に係る金銭の受取書(領収書)は記載された受取金額が3万円未満の場合、印紙税が課されないことから、不動産売買の仲介手数料として、現金48,600円(消費税及び地方消費税を含む。)を受け取り、それを受領した旨の領収書を作成した場合、受取金額に応じた印紙税が課される。


【平成28年度 宅建士試験より】

問10:宅地建物取引業者が行う広告に関する次の記述のうち、不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む。)の規定によれば、正しいものはどれか。


1.新築分譲マンションを数期に分けて販売する場合に、第1期の販売分に売れ残りがあるにもかかわらず、第2期販売の広告に「第1期完売御礼!いよいよ第2期販売開始!」と表示しても、結果として第2期販売期間中に第1期の売れ残り分を売り切っていれば、不当表示にはならない。

2.新築分譲マンションの広告に住宅ローンについても記載する場合、返済例を表示すれば、当該ローンを扱っている金融機関や融資限度額等について表示する必要はない。

3.販売しようとしている土地が、都市計画法に基づく告示が行われた都市計画道路の区域に含まれている場合は、都市計画道路の工事が未着手であっても、広告においてその旨を明示しなければならない。

4.築15年の企業の社宅を買い取って大規模にリフォームし、分譲マンションとして販売する場合、一般消費者に販売することは初めてであるため、「新発売」と表示して広告を出すことができる。


【平成27年度 宅建士試験より】



年度別:宅建士(旧 宅建)試験の過去問題

宅建士試験に限らず、過去問題を解くことは、近年の出題傾向や本試験の出題パターン、ペース配分などを知る上で欠かすことができないため、受験者は必ず取り組むべき学習内容のひとつです。

特に宅建士は過去に出題された論点が形を変えて繰り返し出題される類似問題が多いため、必ず過去問は解くようにしましょう。

参考までに、平成24年度以降の本試験問題と解答がダウンロードできるよう表にまとめておきますが、宅建士試験の過去問題は、試験の実施団体である一般財団法人・不動産適正取引推進機構の公式サイトでも公開しているので、うまく活用してください。

※注意:試験問題は出題当時の問題を掲載しているため、法改正による修正等は一切行っていません。
宅建の過去問題【PDF】
1月実施分
平成24年度 問題と解答
平成25年度 問題と解答
平成26年度 問題 解答
平成27年度 問題 解答
平成28年度 問題 解答
解答

問1:(4)問2:(1)問3:(2)問4:(1)問5:(3)問6:(4)問7:(1)問8:(4)問9:(2)問10:(3)


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