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宅建士:合格率の推移状況

宅建士(正式名称:宅地建物取引士)は1958年(昭和33年)にスタートした50年以上の歴史ある国家試験ですが、過去10年の合格率推移状況は下記表の通りです。

※補足:法改正により、2015年4月1日以降、宅地建物取引主任者(宅建)は、宅地建物取引士(宅建士)へと名称が変更されました。
【参考資料①】
受験者 合格者 合格率
昭和33年 36,646 34,065 93.0% -----
昭和34年 12,876 12,649 98.2% (+5.2)
昭和35年 15,051 12,502 83.1% (-15.1)
昭和36年 17,935 11,662 65.0% (-18.1)
昭和37年 20,004 12,339 61.7% (-3.3)
昭和38年 33,189 14,059 42.4% (-19.3)
昭和39年 39,825 9,040 22.7% (-19.7)
昭和40年 23,678 10,177 43.0% (+20.3)
昭和41年 24,528 8,995 36.7% (-6.3)
昭和42年 32,936 9,239 28.1% (-8.6)
【参考資料②】
受験者 合格者 合格率 合格ライン
平成19年 209,684 36,203 17.3% (+0.2) 35点
平成20年 209,415 33,946 16.2% (-1.1) 33点
平成21年 195,515 34,918 17.9% (+1.7) 33点
平成22年 186,542 28,311 15.2% (-2.7) 36点
平成23年 188,572 30,391 16.1% (+0.9) 36点
平成24年 191,169 32,000 16.7% (+0.6) 33点
平成25年 186,304 28,470 15.3% (-1.4) 33点
平成26年 192,029 33,670 15.4% (+0.1) 32点
平成27年 194,926 30,028 15.4% (±0.0) 31点
平成28年 198,463 30,589 15.4% (±0.0) 35点
宅建:合格率の推移グラフ
合格率が激しく変動していた昭和時代の試験【参考資料①】に比べると、平成に突入してからの宅建試験の合格率は20%を超えることもすっかりなくなりました。

※ 余談:1982年(昭和57年)の試験(20.5%)を最後に、宅建の合格率が20%を超えたことはありません。

直近の10年分に限って言えば、合格率は概ね15~17%と、比較的、安定した推移を示していることが見てとれます。

宅建士は行政書士と同じく法律系試験の登竜門的資格として注目されており、昨今の資格ブームと相まって、試験開始当初に比べると、その受験者数は大幅に増加しましたが、合格率に関しては試験制度の大幅な改正が行われた場合は別として、今後もおそらく同水準で推移していくことが予想されます。

※ 余談:宅建の人気は不動産景気に左右されやすいといった特徴が見られます。




合格率から見た宅建士試験の難易度

先に示した【参考資料②】からも見てとれるように、過去10年程の宅建士試験合格率は15~17%台で推移しており、その平均値は16.1%(平成19~28年度)です。

つまり、計算上は100人中16人しか合格していないことになるため、単純に合格率の数値だけで試験の厳しさを判断するなら、それなりに難しい試験であるかのようにも見えます。

しかし、管理人自ら受験した経験や試験問題を見る限り、もちろん簡単な試験ではありませんが、しっかりと試験対策を行った受験者であれば、100人中16人程度しか受からないような難解な試験ではないと考えます。

では、なぜ宅建試験の合格率は低いのか・・・?

結論から言ってしまうと、一般に公表されている試験結果に受験者のが反映されないことが大きな理由のひとつといえます。

これはどういうことかというと、宅建は不動産業界をはじめ、金融や建設業界に努める者であれば、取得しておくに越したことのない最もポピュラーな資格であり、場合によっては資格が無ければ業務に支障が出てきます。

※ 宅建業者は営業所ごとに宅建士を置かなければなりません。また、法律で定められた一定の重要事項の説明は、宅建士が行うことになっています。

そのため、会社によっては、入社後、資格を取るよう上司から迫られるケースも少なくありませんが、必ずしも社員が資格取得に積極的であるとは限りません。

つまり、本人の意思とは関係なく、やむを得ず(仕方なく)試験に臨まざるを得なくなった者が、勉強不足(人によっては本を買うだけで何の勉強もしないことも…)のまま、試験会場に押し寄せてくるわけですが、その数が特に多い国家試験なのです。

これは、宅建が受験資格を必要としない試験であることも少なからず影響していることでしょう。

宅建試験は、非常に難解な試験ではありませんが、かといって、ちょっとかじっただけで受かるような優しい試験でもありません。

したがって、合格に対するモチベーションの低い受験者は、当然の如く不合格になっているといった現状があります。

また、試験はすべてマークシート(四肢択一)方式という誰でも受けやすい解答方式を採用していること、生活に密接した民法や不動産関連の役立つ基本的知識が身に付くことから、業界関係者以外のスキルアップ目的の一般企業会社員や就職活動に備える学生、あるいは自己啓発や趣味目的の主婦の一部が興味本位(もちろん、しっかりと試験対策をして本試験に臨む方も大勢いますが…)で受験されるケースも増えているため、やはり勉強不足により合格できなかった者が、それなりにいると思われます。

ところが、このような勉強不足の受験者も受験者データに反映されてしまうため、しっかりと試験対策に取り組んでいる者からすれば、そもそも彼らとは実力に大きな差があるので、同レベルの受験者が試験に挑戦した上での合格率が15~17%というわけではないわけです。

特にこれといって根拠はありませんが、受験者の4~5割は万全の態勢で本試験に臨んでいないのではないかと推測されます。

そのため、しっかりと試験対策をした上で本試験に臨んでいれば、30%前後で推移していてもおかしくはないはずなので、合格率に関しては必要以上に気にすることはありません。

※ 稀に関連法令を隅から隅まで熟知し、かつ、理解していなければ解答できないような極めて難解な問題が出題されることもありますが、仮にそのような難易度の高い問題が出題されたとしても、合否を左右するほどのウェートを占める(つまり他の問題でカバーできる)ことはまず考えられません。
(H28年度)
受験者
198,463人
万全の態勢で本試験に臨んでいる受験生を6割と仮定 119,077人
(198,463人×0.6)
(平成28年度)
合格者
30,589人
合格率は… 25.7%
(30,589人÷119,077人×100%)


宅建士は独学向きの試験 !?

宅建士は宅建業法や民法を中心に様々な法令知識の習得が欠かせない試験なので、法律に慣れ親しんでいない一般受験生にとっては理解しにくいと感じてしまう方も多いようです(最初だけですが…)。
分野 主な法令
宅建業法 ・宅地建物取引業法
権利関係 ・民法・不動産登記法・借地借家法 …など
法令上の制限 ・建築基準法・都市計画法・土地区画整理法・農地法 …など
その他の関連知識 ・不動産取得税・固定資産税・所得税 …など
そのため、独学にするか、それとも専門講座を利用するかで迷ってしまう方も少なくありません。

しかし、宅建は受験者同士を振るいにかけたり、一部の成績上位者のみを合格させるような足きり制度や合否判定は行われません。

また、宅建は人気も高く市販テキストや問題集が他の資格試験に比べ充実していること、解答方法が四肢択一の完全マークシート方式であること、例年、出題されやすい論点がある程度予測できること、得点配分の高い宅建業法などの法令は初学者でも、比較的、理解しやすいことなどの特徴が挙げられます。

これらの特徴と私自身の受験経験を踏まえると、自己管理ができ、中途半端な勉強さえしなければ、自分が使いやすいと思えた市販テキストや問題集を利用しながらの独学で十分合格が狙える試験だと感じられます。

過去の合格ラインを振り返ってみても、36点を上回る試験年度は見当たらず、今後も同ライン上での合否判定が行われると予測されることから、受験者は本試験でパーフェクトを目指す必要は全くありません。
宅建:合格ラインの推移グラフ
したがって、比較的、学習時間に余裕がある方には、個人的には独学による学習スタイルをおススメします。

しかし、「独学ではちょっと心配だ…」「どんな教材を使ったらよいのか分からない…」といった不安を抱いていたり「社会人なので勉強時間が限られている…」「短期合格する必要がある!」といった条件に当てはまる人は、独学よりも受験指導校が開講している宅建講座等を利用した方が、精神的にも余裕が生まれ、学習がスムーズに進むといった方もいるでしょう。

そこで、参考までに宅建試験には定評のある受験指導校(どちらも資料請求自体は無料)を下記に2つほど挙げておきます。

どちらも資格試験対策のノウハウを十分に持っているスクールなので、合否を大きく左右するような優劣の差は見られませんが、受講者の好みもあるので、まずは案内資料を請求するなどして、使用教材や講師陣、カリキュラム、サポート体制、費用等を中心に比較検討してみることをお勧めします。

※余談:大手資格スクールが配布している案内資料には、近年の出題傾向や学習ポイントといった試験対策に関する情報がうまくまとまっているものもあるので、独学の方も、それらの試験ガイドに目を通すだけでも役に立つと思われます。

独学にしろ、専門講座を利用するにしろ、要は、自分に合った勉強スタイルで学習することが何よりも肝心です。
宅建士講座の特徴
資格の大原 宅建主任者講座
大原と同様、特に宅建に強い受験指導校というわけではないが、資格試験対策のノウハウは十分にある大手スクールのひとつ。

宅建が満点を目指す必要のない試験であることから、あくまで試験合格を最優先とした満点にこだわらないカリキュラムや使用教材を用意している。

そのため、勉強時間が限られていたり短期合格を目指している受験生には検討の価値があるかもしれない。

ただ、基本的に大手スクールであれば、使用教材やカリキュラム等に大きな優劣の差はみられないので、後は受講者の好みで選択してほしい。
宅建に関しては一発合格主義をモットーとする大手スクール。

特に宅建に強い受験指導校というわけではないが、大手ならではの受験ノウハウがあり、教材の作成から講義、質問まで受験指導のプロが万全の専任講師体制を取っているので心強く、受講者の習熟度(初学者/上級者向け…等)に応じてコースが選べる点も学習者側からすると勉強に取り組みやすい。

また、学習箇所を迷わせない(各問題に重要度を表すランク付けを行う…等)独自教材を使用しているので、一度、案内資料で教材の詳細やカリキュラムをチェックし、TACなどと比較してみてほしい。