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独学 or 講座?公認会計士試験対策の常識と落とし穴

試験制度改正による独学への影響
公認会計士試験は、試験制度が大きく変わった2006年度以降、従来の制度に比べ、受験しやすい環境が整備されたと言われています。

特に科目合格制の導入は、受験者の負担軽減につながると期待されていますが、生涯有効の科目合格制を導入している税理士試験とは異なり、公認会計士試験に関しては、2年間という条件付きの有効期間が設けられているため、税理士試験ほど長期的な計画で試験合格を狙うことはできない点に注意が必要です。
チェック短答式試験の免除制度
チェック短答式試験の実施回数の増加
チェック論文式試験の科目合格制

※ 有効期間は2年間
また、公認会計士試験の合格者数は、ここ数年、増加傾向(ここ最近は、元に戻りつつある)にありますが、試験自体の本質・レベル(難易度)が決して下がったわけではないので、税理士試験と同じく、仕事と両立しながら試験に臨める資格へと変わりつつある国家試験とはいえ、計画的に試験対策を行い勉強に取り組まなければ、まず合格は厳しい状況にあると思って間違いありません。
市販教材の有効性
独学で臨むにせよ、専門スクールの公認会計士講座を利用するにせよ、試験対策上、絶対に欠かせない教材がテキストと問題集です。

公認会計士は試験科目が多く、各科目毎に基本書となるテキストや問題集(過去問題集を含む)を買い揃えなければなりませんが、独学の場合、ここで、まず最初の大きな壁に直面します。

同じ会計系資格である日商簿記関連のテキスト・問題集は非常に充実しており良質な教材も多いので、中身を確認しながら自分に合ったテキストを選択し利用することができるますが、公認会計士試験に関しては、市販のテキストや問題集が少ないため、独学者が使用すべき教材が限られてしまい選択肢があまりありません。

※ 規模の小さい書店によっては、試験に関する書籍自体がまったく置いていないこともあります。現在はアマゾンや楽天等でネット注文することも可能ですが、人によって使いやすいテキストや参考書は異なってくるので、立ち読み(つまり、内容の確認)のできないネット販売では、自分に合わないテキストを注文してしまう恐れがあります。

さらに、大半の方は、大手スクールが関与している教材を利用することになると思われますが、それらの教材は、教材自体は良質でも、受講者向け(解答を導き出すためのテクニック・解説が簡単にしか触れられていないため、その過程が分からず理解不足を招く…等)の内容であったり、レベルが落としてある(競争試験を勝ち抜くために必要な実力が身に付かない)ものも見受けられ、必ずしも独学向けに作りこまれているとは言い難いものがあるのです。

特に論文式試験や選択科目に関する教材は少なく、もはや一個人の受験者でどうにかなるような問題ではないと言えるでしょう。
試験委員対策における負担増
公認会計士試験では、試験委員対策が重要な意味をもってくる試験科目があります。

特に試験委員に学者が選任される傾向が強い経営学などは、試験委員に選ばれた者の専門分野や研究分野に関する問題が出題されやすく、選ばれた試験委員の見解や学説を押さえておくことは、非常に重要であり得点に大きく影響してくることが考えられます。

しかし、この試験委員対策を受験者が独自で行うの至難の業であり、誤った情報で試験委員の見解とは異なる知識をインプットしてしまったり、試験委員対策のための情報収集に時間を割かなければならないことなどを考慮すると、時間的ロスが大きく、独学者にとっては大きな負担とリスクを伴う作業と言わざるを得ません。

※ 専門校では、スクール側が情報収集を行ってくれるため、試験委員の情報を受験者各自で収集する必要はありません。
試験委員対策を行う理由
矢印
チェック試験委員は採点もする!
チェック選任された試験委員の研究分野・専門分野が問題となりやすい!
事実上の競争試験
公認会計士試験の受験案内には、合否を左右する合格基準が明記されていますが、実際には合格者数が一定数になるよう調節されている節があり、事実上の競争試験としての性格を併せもっています。

※「受験者の上位●●%を合格者とする」といったように、成績上位者から順に合格させる試験制度のこと。公認会計士試験においては、上位10%内に入ることがひとつの目安となる。

そのため、すべての受験者があなたにとってのライバルとなりえるので、受験生全体の中で自分がどのくらいの位置にいるのかを常に把握し意識することも大切です。

この点に関しては、独学受験者も公開模試などに積極的に参加することで、ある程度、確認することはできますが、定期的にテストを行っている専門校に比べると、現時点で自分がどの分野の論点が他の受験生に比べ劣っているかを知るといった詳細な個人データは得られにくくなってきます。



公認会計士講座選びの際のチェック事項と落とし穴

公認会計士試験対策に関しては、「このカリキュラムでの勉強法が自分にはピッタリだ!」と思える受験指導校が見つからない限り、少人数制をウリにするあまり名の知られていない小規模スクールよりも、受講生の多い大手スクール(資格の大原、TAC、LEC…など)を利用した方が無難かもしれません。

なお、大手資格スクールが開講している公認会計士講座であれば、その情報収集力や指導力、あるいはカリキュラム等に大きな差はないので、自分が利用しやすいと感じた受講形態や費用面での比較検討を中心に選択すれば、まず問題ないと思われます。

そこで、参考までに公認会計士試験には定評のある大手スクール(どちらも資料請求自体は無料)を、下記に2つほどピックアップしておくので、利用するしないに関わらず、一度、複数の学校に案内資料を請求(資料請求自体は無料で配布しているスクールが多い)するなどして、じっくりと比較検討することから始めることをお勧めします。

利用校を選ぶ上で、特に比較検討が必要になってくる主なチェック事項をいくつか挙げておくので、案内資料を取り寄せた際には参考にしてみてください。
スクール選びの際の主なポイント
チェック受講料・入会金等は…?
公認会計士講座にかかる学費の相場は50~60万前後となってくるので、受講料等(入会金、学割等の割引制度もチェック!)を比較することは大切です。また、公認会計士講座は、教育訓練給付金(受講料が安くなる制度)対象講座であることも多いので、該当者はその有無の確認も忘れずに行ってください。
チェックカリキュラムや教材内容は…?
大手スクール間での情報収集力や指導力に大差はありませんが、通常、使用教材は独自テキストを使用するため、どのような内容・構成か?カリキュラムなどうか?など一通りチェックしてみてください。
チェックアフターフォローは…?
再チャレンジシステムや、試験合格後の実務知識やノウハウの習得、就職支援などに力を入れているスクールもあるので、アフターフォローについて確認することも大切です。
チェック講師陣は…?
特に通学講座に当てはまることですが、口コミや噂が広まり、その道では名の知れたカリスマ講師と呼ばれる人気講師がいるものです。人気講師を多数抱えているスクールには受講生も集まりやすいので、様々なデータが集まりやすいといった利点があるので、講師陣も利用校選びの再には重要なポイントになってきます。ただし、その人気講師の指導法が、あなたにとって必ずしも理解しやすい指導法とは限らないので、迷っている方は、一度、体験入学などを利用してみるのもよいでしょう。そういう意味では体験入学等を実施しているかどうかの確認もポイントになってきます。
チェック受講形態は…?
今後は社会人受験生が増えてくることも予想されるので、受講形態(夜間コース/土日コース/苦手科目のみ受講できる科目別コース…など)や転校制度(転勤などの恐れがある場合)があるかどうかも利用校選びの際には重要なチェック事項となってきます。
専門スクールが掲げる高い合格実績の落とし穴
最近は見かけなくなりましたが、数年前の案内パンフには「合格率90%」など、極めて高い試験合格者占有率がデカデカと表記されていた時期がありますが、この手の合格者占有率の表記を行っているスクールは多数存在したため、それらの合格率を合算すると実際に試験に合格した合格率とは矛盾が生じてきてしまいます。

ということは、どこかの専門校がウソをついているのかと疑いたくもなりますが、これにはちょっとしたカラクリがあります。

公認会計士受験生の中には、複数の専門校を掛け持ちしていたり、短期講座のみを利用した受講生も本校の受講生とした扱い合格者占有率を出していたため、このような必要以上に高い合格占有率がデータとして現れてしまっているのです。

そのため、これらの表示が虚偽とはいえないものの、公正取引委員会の目に留まり、問題視され警告を受けたことがありました。

したがって、先にも説明したとおり、大手スクールの情報収集力や指導力、カリキュラムには大差ないので、スクール選びの際、これらの合格実績については必要以上に気にすることはありません。
公認会計士講座の特徴
資格の大原 公認会計士講座
TACと言えば、特に簿記や会計系資格に定評のある大手スクールのひとつ。

TAC関連の教材は質がよい、使いやすいといった声も多いようなので、教材重視の講座を探している者には、一度検討してみてほしい受験指導校である。

また、講師陣にもこだわりを見せており、合格者講師主義(つまり、試験合格者が講師であるべき)をモットーとしている。

ただし、TACに限らず実績のある大手受験指導校であれば、合否を大きく左右するほどの優劣の差は見られないので、複数のスクールを比較検討した上で、後は自分の好みで選択してほしい。
簿記・会計関連の資格には特に定評のある専門校だけあって、専任講師による徹底した責任指導体制は、まさに大原ならでは。

受講生の学習負担を軽減しながら、かつ合格に必要な論点だけを徹底的に学習するための独自ノウハウと教材を使用しているので受講生は知識の習得に専念できる。

また、受講形態も多彩で、通学・通信のほか合宿制度なども設けられており、早期合格のための環境が整備されている点も評価したい。

なお、初めから通信講座の利用を考えている者は、通学と同じクオリティを維持すべく、いち早くマルチメディアによる教育ツールに力を入れてきたスクールでもあるので、一度、検討してみる価値はあるだろう。