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公認会計士試験の難易度top
会計系の国家資格といえば、税理士と公認会計士がありますが、一般的に公認会計士試験は税理士試験よりも難易度の高い超難関試験として認識されているようです。

そこで、公認会計士試験が超難関試験と言われるその理由について、少し客観的に分析してみましょう。




分析!試験制度からみた公認会計士試験の難易度

1次・3次試験の廃止による試験への影響
公認会計士試験は、2006年(H18年)度以降、旧制度下にあった1次・3次試験の廃止により、短答式試験と論文式試験による1段階2ステップ(従来の2次試験に該当)の試験制度へと大きく様変わりしました。

しかし、1次・3次試験の廃止が受験者の負担を軽減したかというと必ずしもそうとは言えない現状がありそうです。

というのも、まずメインとなる2次試験の受験資格を得るために実施されていた1次試験ですが、下記資料からも読み取れるように、そもそも、年々、受験者数が減少していたため、1次試験の廃止が公認会計士試験の受験者に与える影響はそれほど大きくありません。
公認会計士1次試験の結果グラフ
そして、3次試験に関しては、ここ数年、合格率が50%割れをおこすこともなく、最大の山場とされる2次試験をパスしてきた実力があれば、2次試験ほどの難しさはないと考えられるからです。
公認会計士3次試験の結果グラフ
したがって、この大幅改正が試験に与えた影響は、より多くの人に受けやすくなったという点は見られるものの、1次・3次試験の廃止により、必ずしも公認会計士試験そのものの難易度が下がったとは考えにくいものがあります。

また、2次試験に関しては、新制度以降、受験科目の名称変更や試験時間の変更が見られましたが、受験者が取り組まなければならない学習内容や試験範囲に大きな変化があったというわけではないため、試験自体の本質は変わっていないとみるべきでしょう。

むしろ、短答式試験に関しては、旧試験制度よりも試験時間、出題数が増えている点を考慮すると、受験者によっては、より難易度が上がったと感じている方もいるかもしれません。
〈短答式試験〉
試験科目 会計学
・簿記
・務諸表論
・原価計算
・監査論
・商法
試験時間 3時間
出題数 50問(10問/各科目)
矢印
試験科目 参考:平成19年度
問題数 試験時間 配点
財務会計論 32問 120分 200点
管理会計論 20問 120分 100点
監査論 20問 100点
企業法 20問 60分 100点
矢印
試験科目 参考:平成25年度
問題数 試験時間 配点
財務会計論 40問以内 120分 200点
管理会計論 20問以内 120分 100点
監査論 20問以内 100点
企業法 20問以内 60分 100点
科目合格制導入による試験への影響
税理士試験の科目合格制に対し、従来の公認会計士2次論文試験は、全7科目(会計学(簿記・財務諸表論・監査論・原価計算の4科目)と商法、経営学・経済学・民法のうち2科目選択)を学習し、1回の試験でクリアしなければならず、この制度が公認会計士試験の難易度を上げているとみる受験者も少なくありませんでした。

そのため、非常に広範な試験範囲から、いかに本試験で狙われやすい論点を分析し、バランスを考えながら効率よく勉強するかといった受験テクニックが税理士試験以上に強いられるため、独学や働きながらの学習スタイルでは、まず合格は無理という意見が大多数の意見でした。

ところが、先にも説明したとおり、試験制度が大幅に見直された2006年度以降、論文式試験にも科目合格制が導入され、必ずしも1発で全科目合格を目指す必要がなくなりました。

この制度の導入により、公認会計士試験も、いくらか勉強しやすい学習環境が整いましたが、生涯有効の科目合格制を導入している税理士試験とは違って、2年間という条件付の有効期間が設けられています。

したがって、公認会計士試験は税理士試験ほど長期的な計画で試験合格を狙うことはできない!という点に注意が必要です。
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※ ただし、ともに有効期間は2年間


試験範囲&出題内容からみた公認会計士試験の難易度

語弊を招く言い方かもしれませんが、一言で表すと、公認会計士試験は広く浅い知識が問われるの対し、税理士試験は狭く深い知識が問われる試験であると説明することができるかもしれません。

そのため、試験科目によっては公認会計士よりも税理士試験の方が難易度の高い問題が出題されるケースも見られるため、必ずしも全ての試験科目において公認会計士の方がはるかに高度な知識が問われる国家試験であるとは言い切れません。

その点を踏まえた上で、各試験(短答式試験・論文式試験)の特徴をみていきましょう。
短答式試験
公認会計士試験における短答式試験は、オーソドックスなマークシート方式(五肢択一)で出題されます。

会計士として必要な専門的知識やスキルの習得が体系的に理解できているかを判断するための知識確認型の試験であり、受験者には幅広い知識が求められますが、短答式試験は基礎学力の確認とともに、論文式試験受験者を一定数に絞り込むための足切り試験としての役割もあるようです。

新試験制度の基では、旧試験制度下の短答式試験に比べ、出題問題数が増えていますが、全体的に捻くれた問題・悪問は少ないようで、全体的なレベル(難易度)は思ったほど高くありません(しかし、近年は難化傾向にあるようで、単なる足きり制度とは言えないという意見も…)。

したがって、幅広い出題範囲から、いかに本試験で狙われやすい論点を重点的に勉強し、効率よく正確な知識を身につけていくかがポイントになってきます。

また、下記に示した合格基準にもあるように「1科目にき、その満点の40%に満たないもののある者は、不合格となることがある」となっているので、科目合格制が導入されていない短答式試験に関しては、不得意科目をなくすことも受験者にとって大きな課題のひとつとなってくるでしょう。
合格基準
総得点の70%を基準として、公認会計士・監査審査会が相当と認めた得点比率とする。ただし、1科目につき、その満点の40%に満たないもののある者は、不合格となることがある。

平成27年 平成28年
第Ⅰ回 第Ⅱ回 第Ⅰ回 第Ⅱ回
受験者 5,548名 4,503名 5,479名 4,740名
合格者 883名 624名 863名 638名
合格率 15.9% 13.9% 15.8% 13.5%
合格基準 総得点の60%以上 総得点の67%以上 総得点の67%以上 総得点の66%以上
ただし、1科目につき満点の40%未満は不合格
論文式試験
公認会計士試験受験者にとっての最大の山場は、新試験制度スタート後も論文式試験(記述)にあるとみて間違いありません。

実施概要については、下記に示したとおりですが、論文式試験は、単純に「~について述べよ」という問題だけでなく、一定の条件を付けた上で説明するよう求める問題も目立ちます。

したがって、単に専門的知識があるというだけではダメで、知識はもとより体系的な理解を必要とする応用力が試される(自分の頭で考える)試験となっています。
試験科目 試験時間 問題数 配点〈参考:平成28年度〉
1日目 監査論 120分 大問2題 第1問:50点 / 第2問:50点
租税法 120分 大問2題 第1問:40点 / 第2問:60点
2日目 会計学(午前) 120分 大問5題 第1問:50点 / 第2問:50点 / 第3問:60点
第4問:70点 / 第5問:70点
会計学(午後) 180分
3日目 企業法 120分 大問2題 第1問:50点 / 第2問:50点
選択科目(経営学・経済学・民法・統計学) 120分 大問2題 第1問:50点 / 第2問:50点
また、思考プロセスや判断力の他に、マークシート方式にはない答案作成能力(つまり、採点者を納得させる簡潔な表現力)も必要とされるため、試験問題の質としては短答式試験よりもはるかに難易度の高いスキルが求められます。

特に会計学の分野は、税理士試験よりも公認会計士試験の方が高度な知識を必要とする問題が多く、試験時間も長め(午前と午後に分けて実施)です。

各科目ともにボリュームがあり(時間切れで終わっても不思議ではないケースも…)、短答式試験とは問題自体が大きく異なってくるため、運やまぐれで合格できるような内容ではないので、必ず解かなければならない問題と捨て問題を見抜き、大半の受験生が得点するであろうポイントを押さえて確実に得点することが合否の分かれ目となってくるでしょう。

そういう意味では、知識や技術の習得だけでなく、受験テクニックを身に付けなければならない難しさが公認会計士試験にはあります。
合格点
平成27年度 平成28年度
52.0%以上の得点比率(偏差値による)

ただし、試験科目のうち1科目につき得点比率が40%未満のものがある場合は不合格
52.0%以上の得点比率(偏差値による)

ただし、試験科目のうち1科目につき得点比率が40%未満のものがある場合は不合格

論文式試験:合格点の推移グラフ
公認会計士講座の特徴
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特に講師陣には力を入れているようで、常勤講師体制をとっており充実しているので、講師との相性を重視するような人は、検討してみてはいかがだろうか。

ただし、実績ある受験指導校であれば、内容こそ違いはあれ、合否を左右するほどの優劣はないので、後は自分の好みで選択するのが望ましい。