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矢印年度別:公認会計士試験 短答式試験の過去問題(PDF)

公認会計士:短答式試験問題の特徴と攻略ポイント

公認会計士試験は〝短答式試験〟と〝論文式試験〟とに分かれますが、前者の短答式試験は、会計士として必要な基本的な専門知識が幅広く身に付いているかを確認するための試験であり、また、論文式試験の採点の負担を減らすための、いわば足切り試験としての役割があるようです(ただし、近年は足切りにしては難しすぎるようで、単なる足切り試験ではないという意見も…)。

短答式試験は、平成20年度以降、試験時間の短縮に伴い、従来2日間かけて実施してきたところを、1日で実施される試験制度へと変わっていますが、過去問題を見ていただければわかるように、短答式試験は、すべて5肢択一のマークシート方式で行われます。

※補足:平成22年度より、短答式試験は年2回実施。

なお、受験案内によると、出題問題数は固定されていないようで、実施年度によって若干異なってきますが、参考までに、平成28年度の第Ⅰ回短答式試験の内容をまとめておきます。
試験科目 問題数 試験時間 配点 参考:平成28年度 第Ⅰ回短答式試験
財務会計論 40問以内 120分 200点 計26問(8点×22問 / 6点×4問)
管理会計論 20問以内 120分
100点 計16問(5点×8問 / 7点×4問 / 8点×4問)
監査論 20問以内 100点 計20問(各5点)
企業法 20問以内 60分 100点 計20問(各5点)
※ 監査論及び管理会計論は、いずれかの科目のみを受験する場合は各1時間


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公認会計士試験の合格基準(短答式)は、総得点の70%とありますが、科目ごとに最低得点(満点の40%以上)が設けられることがあること、新試験制度導入後、会計科目に関する重要性が増しており、特に財務会計論のウェートが高くなっていることなどにも注意が必要です。
短答式試験の合格基準

総点数の70%を基準として、公認会計士・監査審査会が相当と認めた得点比率とする。ただし、1科目につき、その満点の40%に満たないもののある者は、不合格とすることができる。
では、これらの点を理解した上で、さっそく過去問を解いてみましょう。

短答式試験はマークシート方式とはいえ、ケアレスミスをしかねない正誤問題や紛らわしい組合せ問題が多数出題されるので、設問は最後までしっかりと読み、落ち着いて解答するよう心がけてください。

なお、科目合格制度が採用されているのは〝論文式試験〟の方であって、短答式試験には導入されていません。



短答式問題

問1:次のA~Fは、討議資料「財務会計の概念フレームワーク」で示されている資産の測定値である。現行制度を前提とした場合、ア~エの記述のうち、正しいものが二つある。その記号の組合せの番号を一つ選びなさい。


A.資産から期待される将来キャッシュ・フローを単純に(割り引かずに)合計した金額

B.資産の利用から得られる将来キャッシュ・フローを測定時点で見積もり、その期待キャッシュ・フローをその時点の割引率で割り引いた値

C.購買市場と売却市場とが区分される場合に、購買市場で成立している価格

D.購買市場と売却市場とが区分される場合に、売却市場で成立している価格から見積販売経費を控除した金額

E.購買市場と売却市場とが区分されない場合に、市場で成立している価格

F.資産取得の際に支払われた現金もしくは現金同等物の金額、または取得のために犠牲にされた財やサービスの公正な金額


ア.売買目的有価証券の貸借対照表価額は、Eの値である。

イ.固定資産の減損損失を認識するかどうかの判定は、Aの値と帳簿価額を比較することによって行う。

ウ.固定資産の未償却原価は、広義にとらえたFの範疇に含まれる。ただし、減損損失を認識すべきであると判定した場合、減損後の帳簿価額はBの値とDの値の小さい方である。

エ.棚卸資産の貸借対照表価額は、Eの値とFの値の小さい方である。ただし、一定の条件を満たす場合、Eの値の代わりにCの値を適用することができる。


1.アイ  2.アウ  3.アエ  4.イウ  5.イエ  6.ウエ

【財務会計論:平成28年度 第Ⅰ回短答式試験より】

問2: 有形固定資産に関する次のア~エの記述のうち、正しいものが二つある。その記号の組合せの番号を一つ選びなさい。


ア.有形固定資産は、その属する科目ごとに取得原価から減価償却累計額を控除する形式で表示しなければならず、減価償却累計額を取得原価から直接控除し、その控除残高を当該資産の金額として表示することは認められない。

イ.建設仮勘定は、いまだ営業活動には投入されていない製作途上の有形固定資産であるため、減価償却は必要とされない。

ウ.有形固定資産を購入した場合の取得原価には、原則としてその資産の購入代価のほかに、引取運賃、荷役費、購入手数料、据付費などの付随費用が含まれる。

エ.有形固定資産の減価償却方法の変更は、会計方針の変更であるため、過去の財務諸表に遡及適用しなければならない。


1.アイ  2.アウ  3.アエ  4.イウ  5.イエ  6.ウエ

【財務会計論:平成27年度 第Ⅱ回短答式試験より】

問3:原価管理に関する次のア~エの記述のうちには、誤っていると考えられるものが二つある。その記号の組合せを示す番号を一つ選びなさい。


ア.原価維持とは、設定された目標原価を標準原価管理や原価改善によって管理する活動である。

イ.原価改善とは、生産している製品の原価水準を維持し、さらに期待原価水準にまで計画的に引き下げる活動をいう。

ウ.標準原価計算は、主として製品の製造段階における科学的・統計的な調査に基づく原価管理技法であるが、標準原価計算の限界と原価企画との関係に鑑みて、現在では標準原価計算が製品開発のスピードに対応させた原価管理技法に変化してきている。

エ.最近のわが国における原価企画の概念は拡大化の傾向にあり、開発設計段階における単なる原価の引下げ活動ではなく、製品の機能向上や戦略的な製品コンセプト作りにまで及んできている。


1.アイ  2.アウ  3.アエ  4.イウ  5.イエ  6.ウエ

【管理会計論:平成28年度 第Ⅰ回短答式試験より】

問4:予算管理と責任会計に関する次のア~エの記述のうち、正しいものが二つある。その組合せを示す番号を一つ選びなさい。


ア.業務予算の編成は、売上高予算の作成に始まり、見積キャッシュ・フロー計算書の作成で終わる。

イ.予算スラックとは、予算目標の達成を容易にするため、予算上の売上高と費用を過小に見積もることをいう。

ウ.マネジメント・コントロール・システムにより、管理者・従業員は、組織目標を達成するために必要となる行動を理解することができる。

エ.マネジメント・コントロール・システムでは、企業内部で得られる情報のみならず、企業外部から得られる情報も利用される。


1.アイ  2.アウ  3.アエ  4.イウ  5.イエ  6.ウエ

【管理会計論:平成27年度 第Ⅱ回短答式試験より】

問5:財務諸表監査の監査報告書の記載に関する次のア~エの記述のうち、正しいものが二つある。その記号の組合せの番号を一つ選びなさい。


ア.金融商品取引法に基づく監査報告書では、株主を宛先とするように規定されている。

イ.財務諸表の表示が適正である旨の監査人の意見は、監査人が実施した監査手続の範囲では、財務諸表における重要な虚偽の表示を示す事項は検出されなかったことを意味するものである。

ウ.財務諸表監査に併せて内部統制監査を実施している場合であっても、監査報告書の「監査人の責任」の区分には、財務諸表監査の目的は内部統制の有効性について意見表明するものではない旨が記載される。

エ.監査人は、将来の帰結が予測し得ない事象又は状況について、財務諸表に与える当該事象又は状況の影響が複合的かつ多岐にわたっている場合においては、監査報告書において監査意見を表明しない場合がある。


1.アイ  2.アウ  3.アエ  4.イウ  5.イエ  6.ウエ

【監査論:平成28年度 第Ⅰ回短答式試験より】

問6:監査手続に関する次のア~エの記述のうち、正しいものが二つある。その記号の組合せの番号を一つ選びなさい。


ア.実地棚卸に対する立会は、被監査会社が行う実地棚卸の実施状況を監査人が観察することによって、棚卸資産の実在性に関する監査証拠を入手するとともに、棚卸資産の品質の低下や陳腐化を識別するための監査証拠を入手することを目的とする監査手続である。

イ.監査の最終段階で実施される分析的手続の目的は、財務諸表の個別の構成単位又は構成要素についての重要な虚偽の表示がないかどうかに関する結論を形成すること、及び意見表明の基礎となる結論を導くことである。

ウ.実査は、有形資産の実在性に関する監査証拠を入手するための監査手続であるとともに、無形資産の評価の妥当性に関する監査証拠を入手するための監査手続でもある。

エ.経営者確認書の入手は、監査手続の一部を構成するものであるが、特定のアサーションに関する監査手続を代替するものではない。


1.アイ  2.アウ  3.アエ  4.イウ  5.イエ  6.ウエ

【監査論:平成27年度 第Ⅱ回短答式試験より】

問7:株式会社の機関に関する次のア~エまでの記述のうちには、正しいものが二つある。その記号の組合せの番号を一つ選びなさい。


ア.公開会社でなく、かつ大会社でない監査等委員会設置会社は、会計監査人を置かなくてもよい。
イ.監査等委員会設置会社は、定款の定めによっても監査役を置くことができない。
ウ.監査役会設置会社においては、監査役は3人以上で、そのうち過半数は社外監査役でなければならない。
エ.公開会社は、定款の定めによっても、監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定することができない。


1.アイ  2.アウ  3.アエ  4.イウ  5.イエ  6.ウエ

【企業法:平成28年度 第Ⅰ回短答式試験より】

問8:商業使用人に関する次のア~エまでの記述のうちには、正しいものが二つある。その記号の組合せの番号を一つ選びなさい。なお、それぞれの記述につき、当事者間に別段の合意はないものとする。


ア.ある商人により選任された支配人は、当該商人のために他の支配人を選任することができない。

イ.商人が支配人に対して与える代理権は、当該商人が支配人の選任登記をすることにより発生する。

ウ.物品の販売等を目的とする店舗の使用人は、当該使用人に対して商人が権限を与えていないことにつき相手方が悪意である場合を除き、その店舗にある物品の販売等をする権限を有するものとみなされる。

エ.商人の営業に関する特定の事項の委任を受けた使用人は、当該事項について、一切の裁判外の行為に加え、一切の裁判上の行為をする権限を有する。


1.アイ  2.アウ  3.アエ  4.イウ  5.イエ  6.ウエ

【企業法:平成27年度 第Ⅱ回短答式試験より】
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実際に過去問を解いてみた感触はいかがだったでしょうか?

公認会計士の短答式試験は、マークシート方式とはいえ、専門知識が体系的に理解されていないと正解肢に辿り着けないような組み合わせ問題が目立ちます。

また、各科目ともに出題範囲が広く、どの論点をどれくれい掘り下げて学習したらよいのか分からないといった試験対策上の問題が出てくるので、限られた勉強時間内で効率よく学習するのは至難の業です。

公認会計士試験のような難関試験になると、出題範囲が広いだけでなく問題自体が難しく、どの論点をどれくれい掘り下げて学習したらよいのか分からないといった試験対策上の問題が出てくるので、勉強すべき論点を誤ると、何度も繰り返し不合格になってしまうといった悪循環に陥ってしまうケースもあるようです。

そのため、何度も繰り返し不合格になってしまうといった悪循環に陥らないよう、公認会計士のような超難関試験は、ほぼ間違いなく大半の受験者が専門の受験指導校を利用しているので、過去問を解いてみて不安を感じた方は、専門講座の利用も視野に入れた学習スタイルを検討してみましょう。

年度別:公認会計士短答式試験の過去問

平成27年度 平成28年度
第Ⅰ回 第Ⅱ回 第Ⅰ回 第Ⅱ回
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