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税理士試験【独学の有効性】top

独学or講座?税理士試験受験者の現状

下記表からも見てとれるように、税理士試験は仕事をしながら受験に臨む30歳前後の社会人受験者が多いのですが、この年齢層の社会人受験者は、コスト面や学習時間に割ける時間の都合等も特に考慮しだす時期でもあり〝資格スクール等の専門講座を利用するか〟それとも〝独学を選ぶか〟の学習スタイルで、まず迷ってしまう方も少なくないようです。
試験結果:年齢別
年齢 平成27年度【第65回】 平成28年度【第66回】
受験者 合格者 合格率 受験者 合格者 合格率
25歳以下 4,840 1,568
(1,509)
32.4% 4,451 1,178
(1,125)
26.5%
26~30歳 7,092 1,546
(1,400)
21.8% 6,380 1,106
(983)
17.3%
31~35歳 7,686 1,472
(1,300)
19.2% 6,918 1,184
(1,033)
17.1%
36~40歳 6,986 1,117
(918)
16.0% 6,351 958
(808)
15.1%
41歳以上 11,571 1,199
(940)
10.4% 11,489 1,212
(933)
10.5%
※ ( )内は一部科目合格者
税理士試験:年齢別グラフ
では、税理士試験は、いったいどちらの勉強スタイルの方が適しているのでしょう・・・?

結論から言ってしまうと、税理士試験に関しては、間違いなく独学よりも〝専門講座〟利用者に分があります。

それどころか極端な話、独学で全5科目合格を手にする受験者は例外中の例外であると思って間違いありません。

その主な理由をこれから説明していきましょう。

税理士試験は難易度の高い国家試験であるということは、いまさら言うまでもありませんが「最後まで諦めずに努力すれば必ず合格できる試験である!」といった話はよく聞かれます。

これは、税理士試験というものが、他の国家資格には見られない〝生涯有効〟の科目合格制を導入していることが大きな理由のひとつですが、単順に努力さえしていれば必ず合格できる試験制度ではないというのが現状です。

というのも、税理士試験は〝各科目とも満点の60パーセント〟という一応の合格基準が設けられてはいるものの、実際には合格者数が一定数になるよう調節されている節があり、事実上の相対評価試験であることから、受験者同士の競争試験としての性格を併せもっているからです。

※ 相対評価試験とは「受験者の上位●●%を合格者とする」といったように、成績上位者から順に合格させる試験制度のこと。そのため相対評価試験においては試験問題の難易度に合否が左右されにくい反面、受験者同士での競争試験となりやすい。

そのため、いかに受験者全体の上位に食い込むかといった受験テクニックも必要となってくるため、漠然と試験範囲を勉強しているだけではランキング上位に食い込むことが難しくなってきます。

また、税理士試験が独学は厳しいとされる理由は、これだけではありません。

特に独学が難しいとされる最大の理由は、簿記検定とは異なり税理士試験対策向けの市販テキストや問題集の数が圧倒的に少ないため、上位10%内に食い込むだけの実力が身に付きにくいことです。

※ 意外と知られていませんが、大手資格スクールが出版している教材類の内容自体は良質ではあるものの、受講者向けの内容(解説が少なく理解しにくい…等)であったり、レベルを落としてある(競争試験を勝ち抜くために必要な実力が身に付かない)ものも少なくありません。

特に税法科目に関する教材類に関してはさらに少なく、もはや一個人の受験者でどうにかなるような問題ではないので、よほど自信がある方を除き、専門スクールを利用した方が賢明といえるでしょう。




税理士試験:あえて独学を選択するなら…

税理士試験独学で貫くには非常に厳しいものがありますが、そこをあえて独学で挑戦してみたい!と思っている方は、とりあえず会計科目(どちらかと言えば「財務諸表論」よりも「簿記論」の方が取りかかりやすい)の勉強からはじめてみることをおススメします。

※ 税法科目(特に国税3法)は試験対策用の教材が少なく、かつ、会計科目合格者が流れ込んでくるので、その中で上位者に食い込むには受験テクニック(捨て問題を見抜く力…など)等も鍵を握ってくるので独学でもなんとかなる!と無責任なことはいえません。(もちろん、絶対不可能というわけではありませんが…)

独学の有効性簿記論はボリュームは多いものの、ほぼ100%計算問題で構成されているので、習うより慣れよの科目であり、比較的、独学でも勉強しやすい試験科目に当たります。

ただし、簿記論の学習を独学で始めるには、最低でも日商簿記2級程度の知識が理解できていることが大前提です。

さらに日商簿記1級試験に合格している受験者であれば、簿記論の学習はスムーズに行えるはずですが、受験資格で取得の必要がある等の理由がなければ、税理士試験では出題されない試験範囲も含まれているので、時間的ロスを考えると、税理士になることが目的なら、わざわざ日商簿記1級や全経上級試験を取得する必要はありません。




1年1科目合格は標準 !?

一部の例外を除き、一般には税理士試験は1年1科目合格が理想的で、5ヵ年計画で臨む勉強スタイルが無理のないプランだといわれていますが、実は現実はそれほど甘くはないようです。

税理士を目指す受験者は、通常、最初の1~2年目に簿記論や財務諸表論の学習にあてますが、これらの会計科目を2年で合格を手にする受験者よりも、実際は、3~5年かけ、ようやく2科目合格したという受験者の方がむしろ多いと聞きます。

したがって、5年で税理士試験をクリアしてしまうような受験者はかなり早い方で、5科目制覇までに7~8年かかっている方も少なくありません。

そのため、1回や2回、同科目に落ちたからといって自分が他の受験生よりも劣っていると考えるよりも、今まで自分が行ってきた学習スタイルをもう一度見つめ直し、勉強方法を切り替えるべきかと思われます。

そこで、参考までに税理士試験には定評のある大手スクール(どちらも資料請求自体は無料)を、下記に2つほどピックアップしておくので、利用するしないにかかわらず、一度、案内資料を取り寄せるなどして、カリキュラムや教材内容等を比較検討してみることから始めてみることをおススメします。

専門スクールでは「いったいどのようなカリキュラムや教材を使って試験対策を行っているのか?」その全体像を把握することは、これから独学で試験対策に取り組む受験者にとっても十分参考になるはずです。

要は自分に合った勉強スタイルで学習することが何よりも重要なので、試験対策を始める前に、まずは自分の取り組むべき勉強法(学習スタイル)を慎重に検討することから始めてください。
税理士講座の特徴
資格の大原 税理士講座
資格の大原と同じく、簿記・会計系資格には定評のある受験指導校。

受講者の反応を直接肌で感じとっている講師陣が使用教材を制作するため、受講生の視点に立った分かりやすさを重視した内容に仕上がっている点がTACの強みの一つである。

ただし、TACや大原のような実績ある受験指導校であれば、内容こそ違いはあれ、優劣はつけがたいので、後は自分の好みの問題となってくることから、一度、案内資料を取り寄せるなどして使用教材やカリキュラム等を比較検討してもらいたい。
簿記・会計系資格には特に定評のある専門校だけあって税理士講座の講師陣は充実しており実績もある。

教材はもちろん大原独自のオリジナルテキストを使用するが、受験生が特に苦手とする理論分野に関しても、合格に必要な論点がマスターできるよう複数の教材を併用しながら習得を図っている点は評価したい。

通学と同じクオリティを維持すべく、いち早くマルチメディアによる教育ツールに力を入れてきたスクールが大原なので、初めから通信講座の利用を希望している人は、一度、案内資料を取り寄せるなどして、他スクールとの違いを見比べてみることをおススメする。