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分析!合格率からみた税理士試験の難易度

税理士試験の合格率は、概ね10~15%前後で推移していることから、他の人気国家資格の合格率と単純に数値のみで比較するならば、宅建試験よりも、若干、合格しにくいが、行政書士試験ほど難易度の高い試験ではない!と言うことができそうです。
国家試験:合格率の比較グラフ
しかし、全問マークシート方式で実施される宅建試験に対し、税理士試験は迅速な計算処理能力や、各科目の重要論点を理解した上で、的確に解答を導き出し簡潔にまとめあげる文章表現力が試される理論問題が出題されるため、非常に高度な知識と技術が受験者に求められているという点で、問題の〝〟に大きな差があります。

一方、行政書士試験の合格率はというと、確かに税理士試験よりも低水準で推移していますが、他資格に比べると変動が激しく(最近は、比較的変動幅が少なく落ち着いている…)。

これは、行政書士試験が、基本的に予め設けられた合格基準さえ満たせば合格できる絶対評価試験なので、本試験問題の内容(難易度)に受験者の合否が左右されやすい、いわば運的要素の強い試験だからです。

また、行政書士試験は5肢択一問題が中心で、一部、記述問題も出題されますが、税理士試験ほど長文解答が要求されることはありません。
行政書士試験
いずれも40字程度
記述問題
税理士試験
1題あたり数百字(問題によっては300~500字程度)
先にも述べたとおり、税理士試験の合格率は試験科目にもよりますが、例年、概ね10~15%前後と安定した推移を示しています。
平成26年度【第64回】 平成27年度【第65回】 平成28年度【第66回】
受験者 合格者 合格率 受験者 合格者 合格率 受験者 合格者 合格率
簿記論 17,742 2,336 13.2% 15,783 2,965 18.8% 13,936 1,753 12.6%
財務諸表論 13,372 2,460 18.4% 12,202 1,906 15.6% 11,420 1,749 15.3%
所得税法 2,123 280 13.2% 2,005 265 13.2% 1,891 253 13.4%
法人税法 6,635 823 12.4% 6,079 673 11.1% 5,642 655 11.6%
相続税法 4,073 524 12.9% 3,895 521 13.4% 3,636 454 12.5%
消費税法 9,713 1,001 10.3% 9,249 1,215 13.1% 8,508 1,104 13.0%
酒税法 774 101 13.0% 756 90 11.9% 669 84 12.6%
国税徴収法 1,482 195 13.2% 1,496 212 14.2% 1,481 171 11.5%
住民税 682 59 8.7% 626 60 9.6% 549 64 11.7%
事業税 771 104 13.5% 638 87 13.6% 566 73 12.9%
固定資産税 1,098 162 14.8% 934 138 14.8% 947 138 14.6%
これは主催者側が合格者数を一定数に調節しているからであり、一応の合格基準(満点の60%)は示している者の、税理士試験が、事実上、相対評価試験として実施されていることは間違いなさそうです。

※ 相対評価試験とは「受験者の上位●●%を合格者とする」といったように成績上位者から順に合格させる試験制度のこと。そのため、試験問題の難易度が高いからと言って合格者数が激減することはなく、成績上位にある一定圏内の受験者は合格することができる、いわば、受験者同士の競争試験。





分析!試験制度からみた税理士試験の難易度

税理士試験の受験案内によると〝合格基準点は各科目とも満点の60パーセント〟であると明記されていることから、一見、行政書士試験と同じ絶対評価試験のようにも見えますが、実際には合格者数が一定数になるよう調節されているようで、事実上の相対評価制度とみて間違いありません。

したがって、試験問題そのものの内容によって合格者数が増減することは少ない反面、受験者同士の競争試験としての性格を併せもっています。

税理士試験は会計科目よりも、税法科目の方が合格しにくく難易度が高いと思われている方も少なくありませんが、これは税理士試験というものが相対評価試験であることも少なからず影響しているようです。

というのも、税法科目は後回しにし、会計科目合格後に受ける受験者が多く、既に簿財の知識を備えている受験者同士での競争試験となるため、その中で上位に食い込むのがより難しくなってくるからです。

※ 簿記論と財務諸表論の知識は税法科目にも影響してくるので、税理士を目指す受験者は、まず会計科目の合格を目指す受験者が多い。

そのため、税法科目に突入してからは、なかなか合格に手が届かないと感じている受験者も多く、そういう意味では、税法科目は会計科目よりも難易度が高めであると言えるかもしれません。
会計科目 ・簿記論
・財務諸表論
ビギナー受験者の大半は、まず会計科目の合格を目指す!
税法科目 ・法人税法
・所得税法
・相続税法
・消費税法 …等
会計科目合格者が大半を占めており、一定の知識・技術レベルを持った受験者同士での競争試験となる!
税理士試験が難易度の高い難しい試験とされる理由のひとつは、単なる計算力を試すだけの試験ではないという点です。

100%計算問題で構成される簿記論を除くと、他の試験科目は多かれ少なかれ〝理論問題〟が出題されます。
財務諸表論

「包括利益の表示に関する会計基準」第6項は、当期純利益にその他の包括利益の内訳項目を加減して包括利益を表示することを求めている。この計算過程の表示は、国際的な会計基準においても採られている方式である。この方式が採られている理由を述べなさい。


【第66回 税理士試験より一部抜粋】
この理論問題(用語に関する知識や●●の論点について説明を求める問題のこと)というのが意外と曲者で、公認会計士試験ほど長文解答(1,000字以上)が求められているわけではありませんが、近年は単なる知識の丸暗記だけでは対処できない問題が増えています。

理論問題は暗記も大事ですが、理解せず暗記することだけに徹してしまうと、問題の意図を正しく読みとることができず、的外れな解答をしてしまったり、うまくまとめられない(つまり、文章表現力がない)といった問題が出てくるため、いかにして学習するかが大きなポイントになってきますが、計算問題とは違って、理論対策に関しては、特にビギナー受験者向けの分かりやすい市販教材が少ない(大手資格スクールなどが教材を発行していますが、その大半が受講生を対象とした内容になっているものが多い)といった現状があるようです。

したがって、理論問題を苦手(特に税法科目)とする方は、独学に固執することなく、さっぱり理解できないと感じたら、資格スクール等の専門講座の利用も視野に入れ、うまく利用することをお勧めします。
税理士講座の特徴
資格の大原 税理士講座
資格の大原と同じく、簿記・会計系資格には定評のある受験指導校。

受講者の反応を直接肌で感じとっている講師陣が使用教材を制作するため、受講生の視点に立った分かりやすさを重視した内容に仕上がっている点がTACの強みの一つである。

ただし、TACや大原のような実績ある受験指導校であれば、内容こそ違いはあれ、優劣はつけがたいので、後は自分の好みの問題となってくることから、一度、案内資料を取り寄せるなどして使用教材やカリキュラム等を比較検討してもらいたい。
簿記検定や税理士、公認会計士といった簿記・会計系資格にはめっぽう強いことで有名な大手資格スクール。

合格に必要なノウハウが凝縮された無駄のない教材や講義、カリキュラムが用意されているため、受講者は学習に専念することができる。

また、受験生が特に苦手とする理論分野に関しては、合格に必要な論点がマスターできるよう複数の教材を併用しながら習得を図っている点は評価したい。

特に短期合格を狙う受験者は大原を選択する受講生も多いようである。