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コレだけは押える!税理士試験:財務諸表論の難易度と出題傾向

11科目からなる税理士試験において〝財務諸表論〟は、簿記論と同じく必須科目に指定されている試験科目のひとつです。

財務諸表論では、財務諸表のあり方(理論)や、その具体的な作成方法をはじめ、会計処理を行う上で欠かせないルールを学ぶことになりますが、会計科目に当たる簿記論と財務諸表論の知識は、他の税法科目を理解する上でも欠かせません。
財務諸表論と関連性のある試験科目
チェック簿記論 チェック所得税法 チェック法人税法 チェック消費税法 チェック事業税
財務諸表論の出題傾向
ほぼ100%計算問題が出題される簿記論とは異なり、財務諸表論では、計算問題と理論問題が概ねフィフティーフィフティー(5:5)で出題されます。
財務諸表論 得点配分と出題傾向
問題 得点配分 出題傾向 試験時間 合格基準の目安
問1 25点 理論問題 理論問題に関しては、全体的に基本的知識の理解を問う問題が多いが、近年は比較的細かな論点について出題されるケースも目立つ。 2時間
【12:30~14:30】
60%以上
問2 25点
問3 50点 計算問題 問題文自体が長文化しており、簿記論と同じく全体的にボリュームが多い。また、問題によっては論述解答が求められるケースもみられ、100%計算問題が出題されるとは限らない。
したがって、簿記論のように単純に計算力さえ磨けばよいという試験科目ではなく、財務諸表に関する理論をマスターしていなければ理論問題に対処することはできません。

つまり、財務諸表論では暗記学習も、ある程度必要になってくるということです。

近年の理論問題の出題傾向としては、比較的、財務諸表に関する細かな部分や、新会計基準に関する内容について問われることも目立ち始め、度々、難解な論点が出題されるケースも見受けられます。
財務諸表論の難易度
税理士試験は、どの試験科目も難易度が高く、容易に合格を手にすることが出来る科目はひとつもありませんが、財務諸表論は他の試験科目に比べると、例年、比較的、高い水準で合格率が推移していることから、受験者にとっては狙い目の科目と言えるかもしれません。
試験年度 受験者数 合格者数 合格率
平成21年度(第59回) 18,626 2,976 16.0% (-0.1)
平成22年度(第60回) 19,230 2,520 13.1% (+2.9)
平成23年度(第61回) 18,650 3,101 16.6% (+3.5)
平成24年度(第62回) 18,246 3,785 20.7% (+4.1)
平成25年度(第63回) 16,137 3,611 22.4% (+1.7)
平成26年度(第64回) 13,372 2,460 18.4% (-4.0)
平成27年度(第65回) 12,202 1,906 15.6% (-2.8)
平成28年度(第66回) 11,420 1,749 15.3% (-0.3)
財務諸表論の合格率推移グラフ
暗記等を苦手とする受験者にとっては理論問題がネックとなってきますが、税理士試験で問われる理論問題は、公認会計士試験のような1,000文字を超える本格的な論述解答が要求されているわけではなく、100~300字程度で解答するものが大半を占めます。

また、問題自体も全体的に基本的知識の理解を中心とした出題内容が多く、税法科目の問題よりも解答しやすい傾向にあり、難易度自体はそれほど高くありません。

したがって、いかに問題の趣旨を正確に把握し、キーワードを含めた解答ができるかがポイントになってきます。

また、財務諸表論で問われる計算問題に関しては、簿記論ほど複雑なものが出題されるケースは少ないので、既に簿記論に合格している受験者であれば、それほど難しく難じることはないでしょう。

※ ただし、簿記論とは出題形式が若干異なってくるので演習問題に慣れ親しんでおくことが大切です。





財務諸表論:試験対策 やってはいけない!勉強法

税理士試験は全11科目中5科目に合格しなければならず、個々の難易度も非常にハイレベルなので、受験期間が長丁場(2~5年)になりやすい国家試験です。

税理士試験は生涯有効の科目合格制を採用しているので、社会人にとっても受験しやすい試験制度となっていますが、限られた勉強時間の中で5科目に合格するには、効率よく試験対策を行わないと受験期間が長期化してしまい、試験に対するモチベーションが下がることで税理士を諦めてしまうといった末路を歩む受験生も決して少なくありません。
財務諸表論対策の基本
チェックポイント1:相乗効果を狙って効率よく学習するなら…

矢印税理士試験の会計科目に当たる財務諸表論と簿記論は関連性が高いため、2科目同時に試験対策を行う受験者は多い。比較的、学習時間に余裕のある方は2科目同時に受験し、短期合格を狙うのもよい。

チェックポイント2:財務諸表論と税法科目は同時に受験しない…

矢印特に学習時間があまり取れない社会人受験者は、財務諸表論と税法科目を同時に受験することは避けるべし。内容的に関連性のある簿記論ならまだしも、税法科目の考え方は異なるため、受験した科目の学習が中途半端に終わり全滅してしまう恐れがある。
理論問題対策
税法科目で出題される理論問題に比べ、財務諸表論での理論問題は基本的な部分を問う出題内容が多く、解答しやすい傾向にあることから、まずは基本論点における理解力を養うために基礎固めを徹底して行う必要があります。

また、財務諸表論における論述問題は試験委員が得意(興味をもっている)とする論点から出題されやすい傾向にあるので、前もって受験年度の試験委員をチェックしておくことも忘れずに行ってください。
計算問題対策
問題文自体が長文化しており、簿記論と同じく全体的にボリュームが多い感は否めませんが、出題パターンはある程度決まっているので学習しやすい試験科目ではあります。

ただし、問題によっては計算問題だけでなく理論問題が求められるケースもみられることから、簿記論とは出題形式が、若干、異なるので注意が必要です。
〈基礎期〉 〈応用期〉
基本論点の理解を中心とした勉強

・特殊会計を除いた基本論点を押える!
矢印
関連する総合演習問題への着手

・財務諸表[B/S・P/L]の作成が中心
矢印
特殊会計の理解

・デリバディブ取引
・外貨建…等
専門スクールを利用すべき国家試験か !?
税理士試験は生涯有効の科目合格制を導入しているため、社会人が挑戦しやすい国家資格ですが、各科目ごとのレベルは非常に高く、生半可な試験対策では太刀打ちできません。

かつては、1回の試験で全5科目制覇してしまう受験者もいましたが、近年は1度の試験で全5科目制覇する受験者は例外中の例外と思って間違いないでしょう。

そのため、現在は、中長期的なプラン(時間に余裕のある受験者は2~3年、仕事を抱える社会人であれば、毎年1科目ずつ)で試験突破を狙うのが標準的となっています。

したがって、学習期間が中長期に及ぶ税理士試験においては、モチベーションを維持する意味でも、受験した科目は確実にモノにしたいので、専門講座を利用しながら、合格に必要な論点だけを徹底して学習するカリキュラムの下で試験突破を目指す受験者が大半を占めているのが現状です。

つまり、よほど税務会計を得意とする方でなければ専門スクールを活用しながら試験突破を目指した方が無難だと思われます。

そこで、参考までに税理士試験対策には定評のある受験指導校(資料請求自体は無料)を2つほど紹介しておきます。

いずれも会計系資格には強く実績のある大手スクールなので、専門校では、「いったいどのようなカリキュラムやスケジュール管理、教材を使って試験対策を行っているのか?」など、パンフレット等で確認してみてはいかがでしょうか。

※ 最近の案内資料はよくできており、試験の特色や近年の出題傾向等がコンパクトにまとまっているので、試験情報を把握するという意味でも、読んで損はないはずです。

この手の難関試験はスタートが肝心なので、自分に合った勉強スタイルを慎重に検討してください。
税理士講座の特徴
資格の大原 税理士講座
簿記や会計系資格にはめっぽう強い受験指導校として、必ず名が挙げられるスクールががこの大原である。

合格に向けて無駄のない教材や講義、カリキュラムが用意されており、受講者は学習に専念することができる。

また、受験生が特に苦手とする理論分野に関しては、合格に必要な論点がマスターできるよう複数の教材を併用しながら習得を図っている点は評価したい。

特に短期合格を狙う受験者は大原を選択する受講生も多いようなので、短期合格を目指す者は、検討してみてはいかがだろうか。
試験科目ごとに最適なカリキュラムが用意されており、効率よく無駄のない学習に徹することができる。

使用教材は、受講者の反応を直接肌で感じとっている講師が制作しているため、受講生の視点に立った分かりやすさを重視した内容に仕上がっている点がTACの強みの一つであろう。

会計系資格に強い受験指導校といえば、大原も有名であるが、講師や使用教材、カリキュラムは違えど、合否を大きく左右するような優劣はほとんどないため、どちらを選択するかは受講生の好みの問題であり、一度、案内資料等でじっくりと比較検討してもらいたい。