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コレだけは押える!税理士試験:簿記論の難易度と出題傾向

税務・会計のスペシャリストとして働く税理士にとって簿記の知識は不可欠であり、簿記論とは、まさに税理士業務の中核にあたる試験科目です。

そのため、簿記論は税理士試験においての必須科目であり、全受験者が避けて通ることのできない試験科目となっています。
簿記論と関連性のある試験科目
チェック財務諸表論 チェック所得税法 チェック法人税法 チェック消費税法 チェック事業税
簿記論の出題傾向
簿記論は大問が3題出題されます。

得点配分に関しては下記表の通りですが、例年、ほぼすべて計算問題で構成されており、理論問題と計算問題が半々で出題される財務諸表論とは出題内容を異にします。
簿記論 得点配分と出題傾向
問題 得点配分 出題傾向 試験時間 合格基準の目安
問1 25点 大学教授等が関与するため、学問的内容が色濃く、個別論点に関する問題が出題されやすい。 2時間
【9:00~11:00】
60%以上
問2 25点
問3 50点 実務的な総合問題が多く、問題文自体のボリュームも問1、問2に比べ、圧倒的に多い傾向にある。
したがって、簿記論は《暗記力》よりも《計算力》が試される試験といってよいでしょう。

さて、簿記論の問題を目にして、受験者がまず最初に感じることは、そのボリュームの多さだと思われます。

特に総合問題として出題されることが多い問3に関しては、問題文自体が非常に長くなるといった傾向も強く、正確さもさることながら、計算スピードや各問題に対する時間配分なども考慮する必要があるため、解ける問題から解いていくことが大切です。
簿記論の難易度
個別論点が出題されやすい問1、問2に関しては、難易度の高い問題が出題されるケースもありますが、総合問題として出題されることの多い問3に関しては、全体的に基本的な要素が問われる傾向にあります。

したがって、全体的に見ると簿記論で出題される内容自体は、基本的なものが多く難易度はそれほど高くありませんが、問題のボリュームが非常に多いため、この点が受験者にとってネックとなり、簿記論の難易度を上げているとみることができるかもしれません。

また、下記、合格率推移表を見ても分かるとおり、簿記論の合格率は決して高いとは言い難い数字を示しています。
試験年度 受験者数 合格者数 合格率
平成21年度(第59回) 24,468 2,418 9.9% (-4.3)
平成22年度(第60回) 25,314 3,166 12.5% (+2.6)
平成23年度(第61回) 23,871 3,528 14.8% (+2.3)
平成24年度(第62回) 22,983 4,326 18.8% (+4.0)
平成25年度(第63回) 19,935 2,441 12.2% (-6.6)
平成26年度(第64回) 17,742 2,336 13.2% (+1.0)
平成27年度(第65回) 15,783 2,965 18.8% (+5.6)
平成28年度(第66回) 13,936 1,753 12.6% (-6.2)
簿記論の合格率推移グラフ
日商簿記検定のような絶対評価試験とは異なり、税理士試験における簿記論は、合格基準こそ各科目とも満点の60%程度となっていますが、実質的には相対評価による競争試験なので、概ね受験者全体の上位10%内に入ることがひとつの目標になってくるでしょう。
チェック簿記論の難易度:日商簿記2級と比べると…

矢印日商簿記検定2級程度の知識・技能ではとても太刀打ちできない…

チェック簿記論の難易度:日商簿記1級と比べると…

矢印試験内容の質としては日商簿記検定1級の方が高いと感じられるが、簿記論受験生のレベル(質)は高いため、合格率は簿記論の方が厳しいと感じている受験者は多い。




簿記論対策:やってはいけない!勉強法

日商簿記検定2級合格後に、さならるスキルアップとして税理士を目指す受験者は少なくありませんが、簿記論を検定試験の延長線上にある資格試験として捉えるのは非常に危険です。

日商簿記検定2級程度の試験対策は市販のテキストや問題集も充実しているので、独学でも十分合格は可能ですが、簿記論で問われる試験内容は難易度・ボリューム共に格段にレベルアップしています。

そのため、これから簿記論対策を始めるビギナー受験者は、まずこの点を肝に銘じておく必要があります。
出題パターンを押さえ、個別論点 → 総合問題へ
簿記論の出題範囲には重要な論点が数多くありますが、先にも述べたとおり、トータル的に見ると基本的要素に関する問題が多数出題されています。

そのため、何よりもまず基礎固めがしっかりとできていないと、問3のような総合問題に対処することはできません。

また、簿記論は本試験で問われる出題パターンが限られているので、過去問題などから本試験における出題パターンを押えてしまうことが重要です。

そのため、簿記論に関しては、オーソドックスな学習スタイルをとる受験者も多く、各重要論点の知識を習得し演習問題で理解を深め基礎固めをした後、実践的な総合問題へとシフトしていく勉強法が効果的なようです。
〈基礎期〉 〈応用期〉
重要な個別論点のマスター

・簿記一巡の手続
・固定資産、有価証券…なと
矢印
関連する 総合問題の着手

・本支店会計
・製造業会計…など
矢印
近年、注目されている 特殊な個別論点のマスター

・減損会計
・外貨建会計…など
習うより慣れよ!
税理士試験における簿記論は同じ会計科目に属する財務諸表論とは異なり、ほぼ100%計算問題が出題されます。

また、試験問題のボリュームが多いことから、いかに正確、かつ、スピーディに解答できるかが合否を左右する試験科目です。

したがって、多くの演習問題に取り組み、問題に慣れ親しんでおくことが大切です。

そのため、まだ試験範囲を一通りマスターしていない段階の方でも、個別論点に取り掛かったら、その時点で関連する演習問題にできるだけ取り組み、問題慣れしておくといった勉強法を取り入れるのも簿記論対策には非常に有効です。
演習問題の取り組み方
チェックポイント1:演習問題は、最低1日1問!

矢印全試験範囲をマスターしていなくとも、勉強時間に余裕がある受験者は、最低でも1日1問の演習問題は必ず解く!

チェックポイント2:本試験に備え、制限時間を設ける!

矢印長文問題の要点をいかに迅速に理解し、スピーディに解答するかが本試験では重要になってくるので、日頃からペース配分を考慮する!
独学に適した試験制度か !?
税理士試験は一度合格したら生涯有効となる科目合格制を採用しているため、この試験制度が税理士試験の最大の魅力であり、また社会人受験者が多い理由のひとつです。

しかし、各科目ごとのレベルは非常に高く、生半可な試験対策では太刀打ちできません。

そのため、かつては1回の試験で全5科目合格してしまう受験者もいましたが、近年は1回の試験で全5科目制覇する受験者はほとんどいません。

現在は、中長期的なプラン(時間に余裕のある受験者は2~3年、仕事を抱える社会人であれば、毎年1科目ずつ)で試験突破を狙うのが標準的ですが、それでも学習期間が中長期に及ぶ税理士試験においては、モチベーションを維持する意味でも、専門講座を利用しながら、合格に必要な論点だけを徹底して学習するカリキュラムの下で試験突破を目指す受験者が大半を占めているのが現状のようです。

したがって、よほど簿記を得意とする方でなければ専門スクールを活用しながら試験突破を目指した方が無難だと思われます。

そこで、参考までに税理士試験対策には定評のある大手スクール(資料請求自体は無料)を、以下に2つほどピックアップしておくので、利用するしないにかかわらず、一度、案内資料を取り寄せるなどして、カリキュラムや教材内容等を比較検討してみることから始めてみるのも悪くはないでしょう。

専門スクールでは「いったいどのようなカリキュラムや教材を使って試験対策を行っているのか?」その全体像を把握することは、これから独学で試験対策に取り組む受験者にとっても十分参考になるはずです。

要は、自分に合った勉強スタイルで学習することが何よりも重要なので、試験対策を始める前に、まずは自分の取り組むべき学習スタイルを慎重に検討することから始めてください。
税理士講座の特徴
資格の大原 税理士講座
使用教材は、受講者の反応を直接感じている講師が制作しているため、受講生の視点に立った分かりやすさを重視した内容に仕上がっている点がTACの強みの一つであろう。

また、科目ごとに最適なカリキュラムが用意されているため、無理無駄のない学習に徹することができる点も評価したい。

TACと同様、大原も会計系資格に強い受験指導校であるが、使用教材やカリキュラムは違えど、合否を大きく左右するような優劣はないので、どちらを選択するかは好みの問題となってくる。
簿記・会計系資格にはめっぽう強い実績のある専門校だけに税理士講座の講師陣は充実している。

教材はもちろん大原独自のオリジナルテキストを使用するが、受験生が特に苦手とする理論分野に関しても、合格に必要な論点がマスターできるよう複数の教材を併用しながら習得を図っている点は評価したい。

通学と同じクオリティを維持すべく、いち早くマルチメディアによる教育ツールに力を入れてきたスクールが大原なので、初めから通信講座の利用を希望している人は、一度、案内資料を取り寄せるなどして、他スクールとの違いを見比べてみることをおススメする。