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矢印年度別:司法書士試験の過去問題

司法書士試験:過去問の使い方と攻略ポイント

司法書士試験の筆記試験(択一式問題)は「午前の部」「午後の部」に分かれて行われますが、試験科目は全11科目と、学習すべき内容・情報量が非常に多い試験です。
午前の部【2時間】 午後の部【3時間】
多肢択一式
(計35問 / 105点満点)
多肢択一式
(計35問 / 105点満点)
記述式
(計2問 / 70点満点)
・憲法………3問
・民法………20問
・刑法………3問
・商法………9問
・不動産登記法…16問
・商業登記法……8問
・民事訴訟法……5問
・民事執行法……1問
・民事保全法……1問
・供託法…………3問
・司法書士法……1問
・不動産登記法…1問
・商業登記法……1問
司法書士試験には〝基準点〟というものがあり、「午前の部」「午後の部」それぞれに足切りラインが設けられているため、各科目バランスよく学習する必要がありますが、筆記試験対策では過去問をいかにうまく活用するかが大きなポイントになってきます。
基準点(足切りライン)
午前の部 午後の部
多肢択一式
(105点満点)
多肢択一式
(105点満点)
記述式
(70点満点)
H26 78点 72点 37.5点
H27 90点 72点 36.5点
H28 75点 72点 30.5点
※補足:他の資格試験に比べると、司法書士試験(択一式)の足切りラインは満点の約70~80%と、やや高めに設定。

では、過去問はどのように有効活用すればよいのかということになりますが、 司法書士試験の択一式問題は、すべて5肢択一のマークシート方式で行われます。

計70問中、35問(憲法・民法・刑法・商法から出題)が〝午前の部【試験時間:2時間】〟で出題されるため、問題のボリュームなどにもよりますが、1問当たり3分程度で解答していかなければなりません。

この所要時間を長いと感じるか短いと感じるかは人それぞれですが、問題のボリュームや、少し考えなければ解答を導き出せないような設問もあるため、試験時間に余裕があるという方は少ないかと思われます。

したがって、ペース配分を考えて解いていかないと、本来、解けたであろう問題が手つかずであったり、問題文の読み間違い(過去問を見ていただければ気付くかと思われますが、焦ると誤解答してしまうような出題パターンになっています)による誤った解答や、ダブルマークといったケアレスミスをしてしまう恐れがあるので要注意です。

司法書士試験の足切りラインは、概ね7~8割ととても高い正解率が要求されていることから、ちょっとしたケアレスミスが合否を大きく左右することになります。

したがって、過去問に取り掛かる際には、出題パターンや出題傾向を掴むことも大事ですが、ペース配分も意識しながら解き進めることも大切です。

また、本試験で全く同じ問題が出題されることはありませんが、過去に出題された論点が、角度を変えたり掘り下げて繰り返し問われることも少なくありません。

つまり、過去に繰り返し出題された論点は、今後も狙われやすい論点になりやすいということです。

したがって、過去問題をマスターすることは試験対策に欠かせない学習ですが、単に過去問を丸暗記しただけでは本試験で解答を導き出す実力は身に付かないため、闇雲に知識の丸暗記をするのではなく、なぜそのようなになるのか、基本原理や判例などをひも解きながら理解力中心の勉強を意識することを常に意識してください。





年度別:司法書士試験の過去問題一覧

司法書士試験に限らず、過去問を解くことは、近年の出題傾向や本試験の出題パターン、ペース配分などを知る上で欠かすことができないため、受験者は必ず取り組むべき学習内容のひとつです。

司法書士試験に関しては、過去5年分程度の過去問はマスターしておきたい(たた丸暗記すればいいというわけではない!という点は先に説明したとおり)ところなので、出題当時の本試験問題の全文と解答を掲載(PDFファイル)しておきますが、参考までに、近年出題された筆記試験問題をいくつか拾ってみたので、試験に興味のある方は、チャレンジしてみて下さい。

※注意:試験問題は出題当時の問題を掲載しているため、法改正による修正等は一切行っていません。
司法書士試験の過去問題
平成28年度 午前の部 | 午後の部 | 解答
平成27年度 午前の部 | 午後の部 | 解答
平成26年度 午前の部 | 午後の部 | 解答
平成25年度 午前の部 | 午後の部 | 解答
平成24年度 午前の部 | 午後の部 | 解答


過去問:一例

問1:司法権に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。


ア:大学における単位認定行為は、一般市民法秩序と直接の関係を有するものであることを肯認するに足りる特段の事情のない限り、大学の内部的な問題として、司法審査の対象とならない。

イ:国会議員の資格に関する争訟は、法律上の争訟であるから、司法審査の対象となる。

ウ:下級裁判所の裁判官は、司法権の独立の観点から、最高裁判所によって任命される。

エ:再審を開始するか否かを定める刑事訴訟法の手続は、刑罰権の存否及び範囲を定める手続ではないから、公開の法廷における対審の手続によることを要しない。

オ:裁判所は、政治犯罪、出版に関する犯罪又は憲法第章で保障する国民の権利が問題となっている事件を除いて、裁判官の過半数をもって、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあると決した場合には、非公開で対審を行うことができる。


1.アエ 2.アオ 3.イウ 4.イエ 5.ウオ

【平成28年度試験より】

問2: 動産の占有権に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。


ア:Aは、Aが所有し占有する動産甲をBに売却し、同時に、動産甲について、Bとの間で、Bを貸主、Aを借主とする使用貸借契約を締結した。この場合において、Aが以後Bのために動産甲を占有する旨の意思表示をしたときは、Bは、動産甲の占有権を取得する。

イ:Aは、Bが所有しCに寄託している動産甲をBから買い受け、自らCに対し以後Aのために動産甲を占有することを命じ、Cがこれを承諾した。この場合には、Bの動産甲の占有権は、Aに移転する。

ウ:Aは、Bが所有しAに寄託している動産甲をBから買い受け、その代金を支払った。この場合には、Aの動産甲に対する占有の性質は、所有の意思をもってする占有に変更される。

エ:Aは、Bが所有しAに賃貸している動産甲について、Bの承諾を得て、動産甲の賃借権をCに譲渡した。この場合には、Aは、動産甲のCへの引渡しがされていないときであっても、動産甲の占有権を失う。

オ:Aが所有しBに寄託している動産甲について、Bによる動産甲の占有の効果はAに帰属することから、Bは、動産甲の占有権を取得しない。


1.アウ 2.アエ 3.イエ 4.イオ 5.ウオ

【平成28年度試験より】

問3:間接正犯に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。


ア:Aは、是非弁別能力はあるものの13歳である息子Bに対し、通行人を刃物で脅して現金を奪って小遣いにすればいいと促し、Bは、小遣い欲しさから、深夜、道を歩いていた女性Cにナイフを突きつけて現金万円を奪った。この場合、Aには、強盗罪の間接正犯は成立しない。

イ:Aは、Bに対し、執拗に暴行を加えながら、車に乗ったまま海に飛び込んで自殺するよう要求し、Aの指示に従うしかないという精神状態にまで追い詰められたBは、Aの目前で、車を運転して漁港の岸壁から海に飛び込んで溺死した。この場合、Aには、自殺教唆罪の間接正犯が成立する。

ウ:Aは、知人Bを殺害しようと考え、毒入りの和菓子が入った菓子折を用意し、その事情を知らないAの妻Cに対し、その菓子折をB宅の玄関前に置いてくるよう頼んだが、Aの言動を不審に思ったCは、B宅に向かう途中でその菓子折を川に捨てた。この場合、Aには、殺人未遂罪の間接正犯は成立しない。

エ:Aは、多額の借金のために将来を悲観し、毒薬を調達した上で、妻Bに心中を持ちかけ、それに同意したBにその毒薬を渡したところ、先にBが毒薬を飲んで死亡し、続いてAも致死量を超える毒薬を飲んだが、嘔吐して死亡することができなかった。この場合、Aには、殺人罪の間接正犯が成立する。

オ:Aは、Bが同人所有の空き地に自動車の中古部品を多数保管していることを知り、Bに無断で、金属回収業者Cに対し、その中古部品が自己のものであるかのように装って売却し、Cは、その中古部品を自己のトラックで搬出した。この場合、Aには、窃盗罪の間接正犯は成立しない。

1.アウ 2.アオ 3.イエ 4.イオ 5.ウエ

【平成28年度試験より】

問4:社債管理者に隠する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後言1から5までのうち、どれか。なお、担保付社債信託法の適用は、ないものとする。


ア:会社は、社債の総額を2億円とし、各社債の金額を200万問として社債を発行するときは、社債管理者を定める必要がない。

イ:社債管理者は、社債権者のために社債に係る債権の実現を保全するために必要なー切の裁判上又は裁判外の行為をする様限を有する。

ウ:社債管理者は、社債権者のために社債に係る債権の弁済を受けるために必要があるときは、裁判所の許可を得て、社債発行会社の業務及び財産の状況を調査することができる。

エ:社債管理者が社債権考集会を招集するには、裁判所の許可を得なければならない。

オ:社債管理者が社債発行会社及び社債権者集会の同意を得て辞任する場合において、他に社債管理者がないときは、当該社債管理者は、あらかじめ、事務を承継する社債管理者を定めなければならない。


1.アイ 2.アエ 3.イウ 4.ウオ 5.エオ

【平成26年度試験より】

問5:弁論準備手続に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5までのうち,どれか。


ア:裁判所は、当事者の一方が事件を弁論準備手続に付することについて同意していない場合には、事件を弁論準備手続に付することができない。

イ:当事者の一方が弁論準備手続の期日に出頭しないときは、裁判所は、弁論準備手続を終結することができる。

ウ:裁判所は、当事者の双方がいずれも弁論準備手続の期日に出頭していない場合には、裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、弁論準備手続の期日における手続を行うことができない。

エ:弁論準備手続の期日においては、ビデオテープを検証の目的とする検証をすることができる。

オ:弁論準備手続の終結後に攻撃又は防御の方法を提出した当事者は、相手方の求めがないときであっても、裁判所に対し、弁論準備手続の終結前にこれを提出できなかった理由を説明しなければならない。


1.アウ 2.アオ 3.イウ 4.イエ 5.エオ

【平成28年度試験より】

問6:所有権の移転の登記の抹消に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの総合せは、後記1から5までのうち、どれか。


ア:AからBへの強制競売による売却を登記原因とする所有権の移転の登記がされている場合には、AとBは、合意解除を登記原因として、当該所有権の移転の登記の抹消を申請することができる。

イ:被相続人Aから棺続人Bへの相続を登記原因とする所有権の移転の登記がされた後に、Bから他の相続人Cへの遺留分減殺を登記原因とする所有権の一部移転の登記がされている場合には、 BとCは、遺留分減殺請求取消を登記原因として、当該所有権の一部移転の登記の抹消を申請することができる。

ウ:AからBへの所有権の移転の登記についてBの死亡によって所有権移転が失効する旨の付記登記がされている場合において、その後Bが死亡したときは、Aは、所有者死亡を登記原因として、単独で当該所有権の移転の登記の抹消を申請することができる。

エ:AからBへの売買を登記原因とする所有権の移転の登記がされた後にAが死亡した場合において、Aの相続人とBとの問でその売買契約を解除する旨の合意をしたときは、Aの相続人とBは、合意解除を登記原因として、当該所有権の移転の登記の抹消を申請することができる。

オ:AからBへの譲渡担保を登記原因とする所有権の移転の登記がされている場合において、AとBとの間でその譲渡担保契約が解除されたときは、AとBは、譲渡担保契約の解除を登記原因として、当該所有権の移転の登記の抹消を申請することができる。


1.アイ 2.アオ 3.イウ 4.ウエ 5.エオ

【平成26年度試験より】

問7:次のアからオまでの記述のうち、次の①又は②のいずれか一方のみに当てはまるものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

①建物を新築する際に不動産工事の先取特権の保存の登記を申請する場合
②所有権の保存の登記がある建物の不動産売買の先取特権の保存の登記を申請する場合

ア:2名以上の先取特権者が申請人となるときは、先取特権者の持分を申請情報の内容としなければならない。
イ:違約金の定めがあるときは、その定めを申請情報の内容としなければならない。
ウ:添付情報として、登記原因を証する情報を提供しなければならない。
エ:添付情報として、建物の設計書の内容を証する情報を提供しなければならない。
オ:所有権の移転の登記の申請と同時に申請しなければならない。


1.アイ 2.アウ 3.イオ 4.ウエ 5.エオ

【平成28年度試験より】

問8:株式会社の設立の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、,正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。


ア:募集設立の方法により設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合において、設立の登記の申請書に設立時取締役及び設立時監査役による調査報告を記載した書面の添付を要するときは、創立総会に出席した設立時取締役及び設立時監査役のみが作成したものを添付すればよい。

イ:法人が発起人である場合には、申請書の添付書面によって、申請に係る会社設立の発起行為が明らかに当該法人の目的の範囲外のものと認められない限り、設立の登記の申請は受理される。

ウ:設立に際して出資される財産の価額又はその最低額の記載を欠いたまま認証された定款について、その後発起人の全員の同意によりこれを追完し、当該同意があったことを証する書面に公証人の認証を受けたときは、変更後の定款に基づき設立の登記の申請をすることができる。

エ:当該設立が発起設立である場合において、公証人の認証を受けた定款に記載された商号を発起人の全員の同意により変更し、当該変更を明らかにした書面に発起人全員が記名押印した上で公証人の認証を受けたときは、変更後の定款に基づき設立の登記の申請をすることができる。

オ:発起設立の方法により設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合において、公証人による定款の認証を受ける前に設立時発行株式の引受け並びに設立時取締役及び設立時監査役の選任が行われているときは、その後に定款の認証がされたとしても、設立の登記の申請は受理されない。


1.アウ 2.アオ 3.イウ 4.イエ 5.エオ

【平成28年度試験より】

問9:券発行会社(現実に株券を発行している株式会社に限る。)に関する次のアからキまでの登記のうち、その申請書に当該会社の株券の提供に関する公告をしたことを託する書面の添付を要するものは、幾つあるか。


ア:株式の併合による変更の登記
イ:株式の譲渡制限に関する規定の変更の登記
ウ:株券を発行する旨の定めの廃止による変更の登記
エ:株式の消却による変更の登記
オ:組織変更による合名会社の設立の登記
カ:該会社が株式交換完全親会社となる株式交換による変更の受記
キ:当該会社が株式移転完全子会社となる株式移転による株式会社の設立の登記


1.1個 2.2個 3.3個 4.4個 5.5個

【平成26年度試験より】

問10:一般社団法人の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。


ア:設立しようとする一般社団法人が監事設置一般社団法人であるときは、その設立の登記は、その主たる事務所の所在地において、設立時理事及び設立時監事の設立手続の調査が終了した日又は設立時社員が定めた日のいずれか遅い日から2週間以内にしなければならない。

イ:設立しようとする一般社団法人が理事会設置一般社団法人でないときは、その設立の登記の申請書には、設立時理事が就任を承諾したことを証する書面に押印した印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない。

ウ:一般社団法人が貸借対照表の内容である情報につき不特定多数の者が提供を受けるために必要な事項を登記する場合には、その申請書には、当該事項について決議した社員総会の議事録を添付しなければならない。

エ:一般社団法人が公益認定を受け公益社団法人となった後に公益認定を取り消されたときは、当該公益社団法人は、遅滞なく、当該公益社団法人の主たる事務所及び従たる事務所を管轄する登記所に当該公益社団法人の名称の変更の登記を申請しなければならない。

オ:一般社団法人は、基金を引き受ける者の募集をすることができる旨を定款に定めても、これを登記することはできない。


1.アエ 2.アオ 3.イウ 4.イオ 5.ウエ

【平成28年度試験より】




解答

問1:(1)問2:(1)問3:(1)問4:(2)問5:(3)問6:(5)問7:(5)問8:(3)問9:(3)問10:(5)