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行政書士試験の難易度:法令科目top

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行政書士の資格は、法律系ライセンスを目指す受験者の登竜門的資格として位置づけられているようで、これまで試験の難易度はそれほど高くはないとする見方が一般的でしたが、最近(というか、もう20年以上…)の受験状況を振り返ってみると、それは過去の話といってよいでしょう。

下記に示す受験者データ(合格率の推移グラフ)を見ると、行政書士試験の合格率はあまり安定した推移を見せていません。
行政書士試験の合格率グラフ
これは、試験センターが事前に公表している合格基準さえ満たせば、ほぼ合格できる絶対評価試験であることが大きく関係しています。

つまり、絶対評価試験においては、本試験問題の難易度がそのままそっくり合格者数(合格率)に反映されてしまう、いわば〝運〟的要素をもった試験であるということをまずは押えておいてください。

※補足:行政書士試験は、絶対評価の色濃い試験であることは間違いありませんが、平成26年度試験において、初めて合格基準の補正的処置が行なわれています。つまり、基本的には絶対評価に近い試験制度ですが、完全な絶対評価試験ではないという点も理解しておきましょう。

さて、行政書士試験における法令分野(行政書士の業務に関し必要な法令等)ですが、平成18年度の新試験制度スタート以降、試験科目に大きな変更があり、試験科目の改正とともに問題の〝〟にも徐々に変化が見られるようになってきました。
法令科目の変更
かつての行政書士試験は、過去問の類似問題が本試験で問われるケースも少なくなかったため、過去問中心の暗記型勉強法で十分対処できたという合格者もいるかと思います。

ところが、新試験制度下での法令分野は、広く浅い知識をベースに、より深い法知識が求められるようになってきている節があり、この点が受験者に難易度が高くなったと感じさせている要因のひとつになっています。
総務省発表による改正の考え方

法令等科目について、法令の知識を有するかどうかのみならず、法令に関する理解力、思考力等の法律的要素を身につけているかどうかをより一層問う…
また、近年の出題傾向として、司法試験や司法書士試験受験者が勉強するような範囲の知識も、本試験で問われるケースが出てきていることを踏まえると、絶対評価による行政書士試験受験者の合否は、今後も〝運〟に左右されるところが大きいのかもしれません。

したがって、従来から言われ続けてきた《行政書士試験 = 難易度の低い簡単な国家試験》といった認識は、これを機会に改め、今後は理解力&思考力に重点をおいた勉強法を取り入れた試験対策を行っていく必要がこれまで以上にあります。
過去問(記述式)

Xは、A県 B市内に土地を所有していたが、B市による市道の拡張工事のために、当該土地の買収の打診を受けた。Xは、土地を手放すこと自体には異議がなかったものの、B市から提示された買収価格に不満があったため、買収に応じなかった。ところが、B市の申請を受けたA県収用委員会は、当該土地について土地収用法48条に基づく収用裁決(権利取得裁決)をした。しかし、Xは、この裁決において決定された損失補償の額についても、低額にすぎるとして、不服である。より高額な補償を求めるためには、Xは、だれを被告として、どのような訴訟を提起すべきか。また、このような訴訟を行政法学において何と呼ぶか。40字程度で記述しなさい。


【参考:平成24年度試験(行政事件訴訟法)より】


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前項でも触れたとおり、最近の行政書士試験は、従来に通用した過去問題中心の単純な勉強法(つまり、単純に条文や判例を丸暗記しただけの知識)では対処できないような難易度の高い問題が増えてきており、より深い知識や理解力を重視した試験対策だけでなく、できれば試験委員の分析なども同時に行っておいた方がよいケースが度々見られます。

法律系学校卒の受験組みであれば、独学で試験に臨むのも悪くありませんが、それでも近年の出題傾向を踏まえると、中途半端な試験対策では合格を手にするのは非常に厳しい状況にあると肝に銘じておくべきでしょう。

また、行政書士試験は出題範囲が広いだけでなく、年度によって試験傾向や難易度が激しく変動していることからも、特に初学者は、どの程度深入りした知識を身につけるべきか判断しづらく、時間的ロスが大きい点もネックとなってきます。

そのため、出題傾向の分析や予測をするのが苦手な方や、試験勉強にあてる時間を確保するのが難しく、効率よく短期間で実力を身に付けたいという受験者は、独学よりも資格スクールの講座等を利用しながら、狙われやすいポイントを重点的に学習することができる勉強スタイルを選択した方がよいかもしれません(勉強時間を十分に確保できるような方は、独学で頑張ってみるのもよいでしょう(当サイト管理人の私自身も独学で合格を勝ち取りましたが、今よりも合格しやすい状況にあった…)。

そこで、参考までに行政書士試験対策には定評のある大手スクール(資料請求自体は無料)を2つほどピックアップしておきます。

専門スクールでは「いったいどのようなカリキュラムや教材を使って試験対策を行っているのか?」を把握することは、独学を考えている受験者にとっても重要な意味があり、また、場合によっては「独学よりも、この講座を利用した方が自分の学習スタイルに合っているかも…」と、気付かされることもあるはずです。

要は、自分に合った学習スタイルで試験対策を行うことが何よりも重要なので、利用するしないにかかわらず、一度、案内資料を取り寄せるなどして、カリキュラムや教材内容等を比較検討し、その後、改めて自分の学習スタイルの方向性を決めるというのも悪くはないでしょう。
大手スクール行政書士講座の特徴
資格の大原 行政書士講座
行政書士は法律系国家資格の登竜門的な資格であることから、法律の勉強は初めてという初学者も少なくない。

大原では入門者向けコースをはじめ、既にある程度、法知識の身に付いている上級コースなど、自分の現時点での実力に合わせた講座選択ができる点はLECなどとほぼ変わらない。

また、教育訓練給付金制度の指定コースもあるので、該当者はその制度を活用するとよいだろう。(LECなどでも対象講座あり)
会計系資格に強いTACだが、近年は法律系資格にも力を入れており、それなりに実績もあるようだ。

大手資格スクールだけに、試験攻略のノウハウは十分にあるため、初学者でも無理なく実力が身に付くよう毎年改訂されるオリジナル教材を使用しながら、効率的に学習できるカリキュラムが組まれている。

行政書士レベルであれば、大手スクールの内容に合否を大きく左右するほどの差はないので、後は使用教材の内容や費用、フォロー制度等をパンフなどで他校と比較しながら、自分に最適な講座を選択してほしい。