国家資格.net ~ 公認会計士 編 ~
公認会計士試験の試験科目と出題傾向top

公認会計士試験:新試験制度後の試験科目について

2006年度以降、公認会計士の試験制度は大きく変わっています。

1次・3次試験の廃止により、従来の2次試験に当たる〝短答式試験〟と〝論文式試験〟のみが引き継がれ、今後は1段階2回(短答式試験 → 論文式試験)の試験により合否判定が行われます。

また、今回の試験制度改正は、公認会計士試験における試験科目にも影響があり、名称の変更や新たな試験科目の追加などが見られるので、その大まかな改正点を下記表で確認してください。
〈 短答式試験 〉
(旧 試験制度) (新 試験制度)
簿記 矢印 財務会計論
財務諸表論
原価計算 矢印 管理会計論
監査論 矢印 監査論
商法 矢印 企業法
〈 論文式試験 〉
(旧 試験制度) (新 試験制度)
必須科目 簿記 矢印 会計学
(財務会計論)
(管理会計論)
財務諸表論
原価計算
監査論 矢印 監査論
商法 矢印 企業法
租税法new
選択科目 経営学 矢印 経営学
経済学 矢印 経済学
民法 矢印 民法
統計学new
新試験制度スタート後の2年間、公認会計士短答式試験は、2週に渡って(日曜日の2日間)行われてきましたが、受験者の負担軽減に配慮し、平成20年度以降、試験が1日で済むよう日程が短縮されています。

※補足:平成22年試験以降、短答式試験(論文式試験は除く)は、実施回数に変更があり、年1回から年2回へ。

この短縮化により、短答式試験の試験科目である「管理会計論」と「監査論」の2科目が同一時間内で実施されることになりました。
〈 短答式試験 〉
日程 試験科目 問題数 平成18年度~
試験時間 配点
1日目 企業法 20問程度 90分 100点
監査論 20問程度 90分 100点
2日目 管理会計論 20問程度 90分 100点
財務会計論 40問程度 120分 200点
短縮
日程 試験科目 問題数 参考:平成28年度
試験時間 配点
1日目 企業法 20問以内 60分 100点
監査論 20問以内 60分 100点
管理会計論 20問以内 60分 100点
財務会計論 40問以内 120分 200点
〈 論文式試験 〉
日程 試験科目 問題数[大問] 試験時間 配点
1日目 監査論 2問程度 120分 100点
租税法 2問程度 120分 100点
2日目 会計学 5問程度 120分 300点
会計学 180分
3日目 企業法 2問程度 120分 100点
選択科目 2問程度 120分 100点




資格の大原公認会計士講座

公認会計士試験:科目別出題傾向の分析

公認会計士試験試験科目は、必須科目が5科目、選択科目が4科目(うち、1科目を選択)の計9科目で構成されています。

試験科目によって、ボリュームに大きな差があったり、暗記色の強い科目があったりと、各科目の特徴に合わせた戦略が必要になってきます。

そこで、ここ最近の本試験問題を基に、各試験科目の出題傾向や特徴についてザッとまとめておくので、関心のある方は、少し参考にしてください。
企業法
旧公認会計士試験制度下での商法(海商並びに手形及び小切手に関する部分は除く)に該当する試験科目が、この〝企業法〟です。

平成17年に成立した会社法という名の新しい法律により、現在は会社法からの出題がメインとなっていますが、商法や会社法のほか、金融商品取引法(ただし、企業内容等の開示に関する部分が中心)も出題範囲に含まれてきます。

本科目の中心は会社法なので、会社法の学習は株式会社の設立から運営、消滅に関する規定を中心に全範囲を網羅しなければなりませんが、短答式試験では細かい知識が問われることもあり、学習すべきボリュームが比較的多い試験科目です。

企業法に含まれる法律は、特に条文が理解しにくい(読みにくい)ものが多いため、早い段階で条文に慣れることが大切です。
短答式 計20問(各5問) 60分
論文式 大問2題
理論問題のみ
120分
※参考:短答式:平成29年度試験 / 論文式:平成28年度試験
監査論
公認会計士試験においては、他の科目に比べると、学習すべきボリュームが比較的少ない試験科目です。

「監査基準」や「監査基準委員会報告書」が学習の中心であり、どちらかというと暗記色の強い科目と言えるでしょう。

ただし、論文式試験では〝考える力〟が必要になってくるため、専門用語の正確な知識だけでなく、各規定の意味や背景の理解に努め、物事を理論的に考える応用力を養う力を身に付けなければなりません。

近年は、従来に比べてより実務重視型の問題が増えており、年度によっては非常に難解な問題が出題されるケースも見られますが、全体的に基本的知識を問う問題の多い試験科目なので、まずは基本的な論点をしっかりと押さえ理解することが大切です。
短答式 計20問(各5問) 60分
論文式 大問2題
理論問題のみ
120分
※参考:短答式:平成29年度試験 / 論文式:平成28年度試験
管理会計論(会計学)
旧公認会計士試験制度下では「原価計算」の科目で出題されていた試験科目で、論文式試験では、財務会計論とセットで〝会計学〟として出題されます。

年度によっては超難問が出題されることもありますが、他の受験生も解けないような問題にこだわって深入りするよりも、まずは基本事項を徹底的にマスターすることの方が重要です。

本科目は、計算問題が多く複雑なものもあるため、合格レベルの実力を身に付けるには相当な時間が掛かります。

そのため、できるだけ早い段階から勉強に取り掛かるべきですが、理論学習は、計算問題をマスターしてから取りかかった方がスムーズに進むという人も多いようです。

特に意思決定会計などの理解・計算処理能力はしっかりと習得しておきましょう。
短答式 計16問(5点×9問 / 7点×2問 / 8点×4問 / 9点×1問) 60分
論文式 大問5題(財務会計論を含む)
計算問題と理論問題
会計学として300分
※参考:短答式:平成29年度試験 / 論文式:平成28年度試験
財務会計論(会計学)
簿記・財務諸表論が統合された新試験制度以降、計算問題と理論問題を絡めた問題が出題されています。

問題の難易度としては基本事項が多いものの、幅広い範囲から出題されており、学習上、最も勉強時間を要する試験科目として位置づけられていることから、管理会計論と同様、早い段階から学習をスタートする必要があります。

また、特にボリュームの多い科目であり、本試験では時間配分に気を付けながら解ける問題から取り掛かっていかないと、本来、得点できたであろう問題を取りこぼす恐れも出てくるので、捨て問題の見極めなどのテクニックも欠かせません。
短答式 計26問(8点×22問 / 6点×4問) 120分
論文式 大問5題(管理会計論を含む)
計算問題と理論問題
会計学として300分
※参考:短答式:平成29年度試験 / 論文式:平成28年度試験
租税法
本試験では理論問題も出題されますが、どちらかというと計算がメインの試験科目です。

租税法は短答式試験がないため、他の試験科目に比べると優先度の低い科目と見なされてしまいますが、意外とボリュームがあり、それなりの学習時間を要します。

特に法人税に関する計算・理論問題のウェートが高いため、法人税を中心に基本となる計算処理方法をマスターし、その上で考え方や解き方をしっかりと理解していくことが大切です。

ちなみに、法人税よりもウェートの低い所得税や消費税はほとんど手を付けない・・・という人も中にはいるようですが、捨て問題にするのは危険なので、基本部分を中心に学習した方がよいでしょう。
短答式 なし -----
論文式 大問2題
計算問題と理論問題
120分
※参考:平成28年度試験
選択科目の特徴
経営学 本試験では時事的な問題が取り上げられる傾向にある。そのため、日頃から日経新聞などに目を通しておくのも試験対策には有効。また、学者によって言いたいことが異なってくる試験科目でもあるので、試験委員対策をする受験生も少なくない。ただし、あまり深入りし過ぎると収拾がつかなくなるので、広く浅い知識を身に付けることを意識したい。
経済学 新試験制度スタート後も、出題内容に大幅な変更は見られない。出題形式はバラエティーに富んでおり、試験範囲が広く絞りづらい点がネックとなってくる試験科目。数学的要素が強く計算問題が出題される傾向が強いが、パターンさえ身につけてしまえば得点源となる科目でもある。
民法 ボリュームは多いが、公認会計士試験で出題される試験範囲は財産法に関する問題が中心となる。比較的、暗記要素の強い試験科目といえ法的知識の理解に努めることが重要。
統計学 新試験制度後、新たに追加された試験科目。新科目なので過去のデータは少ないが、数学的要素が強く、グラフを読み取る力や統計処理に関する計算問題が多く出題されている。



資格の大原公認会計士講座