国家資格.net ~ 行政書士 編 ~
行政書士試験の合格率top

行政書士試験:合格率の推移状況

今となっては信じられない方もいるかもしれませんが、昭和時代の行政書士試験合格率が50%台ということもあったため、士業の中では、比較的、取得しやすい国家資格であるとよく言われたものです。

ところが、平成時代の受験結果を振り返ってみると、試験合格率は決して高い水準で推移しているわけではないことが見てとれます。
実施年度 申込者数 受験者数 合格者数 合格率
平成元年 ----- 21,167 2,672 12.62% ---
平成2年 ----- 22,406 2,480 11.07% (-1.55)
平成3年 ----- 26,228 3,092 11.79% (+0.72)
平成4年 ----- 30,446 2,861 9.40% (-2.39)
平成5年 ----- 35,581 3,434 9.65% (+0.25)
平成6年 ----- 39,781 1,806 4.54% (-5.11)
平成7年 ----- 39,438 3,681 9.33% (+4.79)
平成8年 43,267 36,655 2,240 6.11% (-3.22)
平成9年 39,746 33,957 2,902 8.55% (+2.44)
平成10年 39,291 33,408 1,956 5.85% (-2.70)
平成11年 40,208 34,742 1,489 4.29% (-1.56)
平成12年 51,919 44,446 3,558 8.01% (+3.72)
平成13年 71,366 61,065 6,691 10.96% (+2.95)
平成14年 78,826 67,040 12,894 19.23% (+8.27)
平成15年 96,042 81,242 2,345 2.89% (-16.34)
実施年度 申込者数 受験者数 合格者数 合格率
平成16年 93,923 78,683 4,196 5.33% (+2.44)
平成17年 89,276 74,762 1,961 2.62% (-2.71)
平成18年 88,163 70,713 3,385 4.79% (+2.17)
平成19年 81,710 65,157 5,631 8.64% (+3.85)
平成20年 79,590 63,907 4,133 6.47% (-2.17)
平成21年 83,819 67,348 6,095 9.05% (+2.58)
平成22年 88,651 70,576 4,662 6.60% (-2.45)
平成23年 83,543 66,297 5,337 8.05% (+1.45)
平成24年 75,817 59,948 5,508 9.19% (+1.14)
平成25年 70,896 55,436 5,597 10.10% (+0.91)
平成26年 62,172 48,869 4,043 8.27% (-1.83)
平成27年 56,965 44,366 5,814 13.10% (+4.83)
平成28年 53,456 41,053 4,084 9.95% (-3.15)
ここ数年の合格率は概ね10%前後で推移していますが、平成に入ってからは5%を下回ることもあったため、合格率だけで比較するなら、行政書士試験は法律系難関国家資格のひとつ〝司法書士試験〟に迫る勢いがあります。
行政書士試験の合格率推移グラフ
行政書士試験の合格率の大幅なダウンの背景には、団塊世代の公務員の定年退職が少なからず影響(一定の条件を満たした公務員は無試験で資格を取得できるため、試験合格者を減らすことで、行政書士の人数を調整している)しているとも囁かれていますが、そのような理由が表立って出てくることはないので真相は定かではありません。

いずれにせよ、これまでの合格率推移状況から判断すると、近年の行政書士試験は、かつてのように必ずしも簡単に合格できる国家試験であるとは言いがたいものがありそうです(とはいえ、近年は10%前後で落ち着いているため、一時期の落ち込みに比べれば、合格率は緩やかに上昇傾向にあるといえます)。




行政書士試験の合格率から見た難易度の現状

行政書士試験合格率は、一昔前に比べると大きく落ち込んでいますが、先に示した受験者データを見る限り、合格率が常に5%前後で推移しているのかというとそうでもなく、平成14年度(2002年)には20%近い合格率(出題ミスが複数あったことも影響している)で推移していることに気付きます。

※ 翌年度(平成15年)の試験合格率が急激にダウンした原因は、試験の難易度アップや、試験制度の変更による駆け込み受験者の増加が背景にあると言われています。

つまり、行政書士試験の合格率は変動が激しく安定した推移を見せていないのです。

行政書士試験は相対評価というよりも基本的に絶対評価の試験であるがために、試験問題の難易度が年度によって大きく異なると合格率にも大きく影響してしまいます。

※ 絶対評価とは規定の合格基準を満たした受験者は、ほぼ合格するという意味です。一方、相対評価とは、受験者の上位●●%といったように、成績上位の者から順に合格する仕組みであるため、合格基準をただ満たせば良いというものではなくなってきます。

したがって、試験問題が易しかった年度に当たった受験者にとっては合格者も増える一方、難易度の高い試験問題が多く出題された年度に受験してしまうと、合格基準を満たすことができずに大勢の受験者が不合格となってしまうのです。

そのため、行政書士試験は〝運〟に左右されやすい試験だと皮肉られることもあります。
勉強不足の受験者が多い!?
行政書士の資格は、法律系資格の登竜門と言われることも多く、「とりあえず…」「腕試しに…」といった、試験対策をほとんど行っていない勉強不足の受験組が比較的多いのも特徴のひとつです。

そのため、このような準備不足の受験者によって、試験合格率が見かけ以上に低くなっているという点も見逃せません。

つまり、勉強不足の受験組を除外すると、公表されている合格率よりもずっと高い数値で推移していることが予想されるので、しっかりと試験対策を行っている受験者にとっては、必要以上に合格率を気にする(恐れる)ことはありません。

確かに、近年の行政書士試験は、出題問題が難化傾向にあるため、世間で言われるほど容易な試験ではありませんが、しっかりと計画立てた試験対策を行えば、合格を手にすることは十分可能な国家試験であると言えます。




行政書士試験対策の基礎知識

先にも説明したとおり、行政書士試験は、基本的に絶対評価(規定の合格基準さえ満たせば、合格できる試験制度)による国家試験です。

※補足:新試験制度(平成18年~)の下では、これまで合格基準点が調整されることは一度もありませんでしたが、平成26年度試験において、初めて補正的処置が行なわれています(法令等科目:122点以上→110点以上 / 合計得点:180点以上→166点以上)。そのため、行政書士試験は、事実上、絶対評価に近い試験制度ではありますが、今後は完全な絶対評価試験ではないという点も理解しておいた方が良さそうです。

したがって、合格率を気にするよりも、センターが公表している行政書士試験の合格基準を満たすことの方が受験者にとっては重要になってくるので、短期合格を目標としているのであれば、広範な試験範囲をいかに効率よく学習するかがポイントになってきます。

つまり、具体的には苦手分野は広く浅く勉強し、一方で得意分野を重点的に勉強し得点を稼ぐといったような、合格基準を満たすための受験テクニックや対策が合格のカギを握ってくるということです。
合格基準

次の要件のいずれも満たした者を合格とする。

(1)行政書士の業務に関し必要な法令等科目の得点が、122点(満点の50%)以上である者
(2)行政書士の業務に関連する一般知識等科目の得点が、24点(満点の40%)以上である者
(3)試験全体の得点が、180点(満点の60%)以上である者

※ 合格基準については、問題の難易度を評価し、補正的措置を加えることもあります。
行政書士試験は、大きく「法令」科目と「一般知識」科目とに分かれますが、勉強すべき試験範囲は大変広い(特に一般知識問題は受験者泣かせ…)ので、ポイントを絞った試験対策を行わなければ学習時間はいくらあっても足りません。

また、合格率があまり安定していない推移状況からみても、行政書士試験の出題レベル(難易度)は、実施年度によって開きがでてくるので、本試験の出題傾向を分析し、最小限の学習時間で試験突破を目標としている大手資格スクールの専門講座(通信|通学講座)を利用した学習スタイルへと切り替える受験者が従来に比べ増えています。

もちろん、スクール講座の利用が前提とされる司法書士試験や公認会計士試験とは異なり、独学でも合格を狙える試験であることには変わりありませんが、一昔前とは事情が異なり、かなり厳しい現実が待ち受けているという点だけは覚悟しておかなければなりません。

そこで、独学を考えている受験者も、まずは行政書士講座を開講している専門の資格スクールから案内資料(大半の大手スクールは、無料で案内資料を配布)を取り寄せ、どのような試験対策を行っているかを調べてみることをおススメします。

※ 特に法律初学者や自分には試験傾向の分析・予測がまるでできないといった不安を抱えているような方は、とりあえず専門講座の利用も視野に入れた上で、自分に適した学習法を探してみましょう。

最近の案内資料は、試験対策に関する情報が非常にうまくコンパクトにまとまっているので、案内資料に目を通すだけでも受験者にとって十分参考になる面があります。

また、カリキュラムや使用教材をチェックすると「自分には独学よりも、この講座を利用した方がやりやすいかもしれない…」と、気付かされることもあるかもしれません。

肝心なことは、自分が無理なく取り組める勉強スタイルで学習できるかどうかです。

そこで、行政書士対策には定評のある大手資格スクールを3つほど紹介しておくので、利用するしないにかかわらず、一度、案内資料を取り寄せ、カリキュラムや教材内容等をチェックし、改めて自分の学習スタイルの方向性を決めるというのも悪くはないでしょう。
大手スクール行政書士講座の特徴
資格の大原 行政書士講座
行政書士は法律系国家資格の登竜門的資格あることから、法律の勉強は初めてという初学者も少なくない。

そこで、大原では入門者向けコースをはじめ、ある程度、法律知識の身に付いている受験者向けの上級コースなど、自分の現時点での実力に合わせた講座が選択できる点は評価したい。

また、教育訓練給付金制度(一定の条件を満たすと、受講料の一部が戻ってくる)の指定コースもあるので、該当者はその制度を活用すると共に各コースで使用する教材やカリキュラムをチェックし、他スクールと比較してほしい。
どちらかというと会計系資格に強いTACだが、近年は法律系資格(司法試験、司法書士など)にも力を入れており、それなりに実績もあるようだ。

大手の資格スクールだけに、試験攻略のノウハウは十分にあるため、初学者でも無理なく実力が身に付くよう毎年改訂されるオリジナル教材を使用しながら、効率的に学習できるカリキュラムが組まれている。

正直なところ、行政書士レベルであれば、大手スクールの内容に合否を大きく左右するほどの差はないので、後は使用教材の内容や費用、フォロー制度等をパンフなどで他校と比較しながら、自分に最適な講座を選択してほしい。